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とにかく歩きながら撮って、全体を収めたりズームにして校舎だけとか、一部だけを撮ったり。太陽と一緒に動くから幸い逆光はない。海もキラキラ光ってて、最高にいい感じ。

夜までには撮れるといいけど…。







――カシャ、カシャッ

「っ…んーこんなもんかなぁ…」



ついに朝とは反対側まできて、何枚か夕日に染まった学園を収めた。あ、お昼はね、なぜか先輩と2人きりでイタリアン食べましたけど何か?美味しかったけどさ…宇佐見先輩は副会長だよ!?さすがに緊張してなんとも気まずかったな…。



「満足いくものは撮れましたか?」

「まぁ何枚か。でも現像するとまたちがくなるんですけどね…。つか、先輩はつまんなかったでしょう?すいませんこんな僕のことに…」

「とても有意義な時間でしたよ。…真剣な瞳、君であることを忘れさせるほど素敵でした」

「いやいやそんな!大げさですよ。じゃ、あの、あとは橋の中央あたりで最後に1回…」

「分かりました、ではいきましょう」



ナチュラルに手を引いて車に乗せてくれる王子様もとい宇佐見先輩。どうしてここにいるのは理央じゃないんだぁああ!!今日は仕方ない今日は仕方ないってずっと思ってたけど、やっぱもったいなさすぎる。でも先輩のいいとこもいっぱい見れちゃったから文句はいえないんだよね…あ。



「すいませんこのへんで!」

「…ほぉ…綺麗ですね。普段気にして見ることなんてないので、不思議な感じです」

「はは、それが普通だと思いますよ。僕とか保は対象物として普段から見てますけど…校舎とか景色なんて、どうでもいいでしょうしね」

「そうですね。…ですがこんな綺麗なものだと知ってしまえば、今までのがもったいないとさえ思ってしまいますね」



この前の約束忘れてませんよね?って突然いわれた。約束…あ、写真見せてくれってやつか?そう思って確認してみたら、頷いた。なんで今…。



「私が見ることの出来なかった素晴らしいといえる景色は、伊織が全て写真に収めているのでしょう?」

「全部…ってわけじゃ…」

「ふふ、素晴らしい景色を、素晴らしい写真で見ることが出来る。…凄いことだね?」

「っ…!///」



うわぁあパチンってウィンクしたよこの人!き、綺麗だから絵になる…はっ、写真撮ればよかったぁああ!くそぅ、次こそは…って、とにかく写真だけ撮っちゃわないと。


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あきゅろす。
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