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「…書類見てませんか?サインしたの私なんですが…」

「…え、あ、そうだったんですか?よかったーてっきりエスパーかと」

「っ…はは!エスパーってそんなわけないでしょ!もー伊織はおもしろいね。それで、一緒にいってもいいよね?」

「うわぁあNOといわせない笑顔御馳走様です!…でも、つまんないと思いますよ?」

「いいんです。…伊織が写真撮ってるとこを、見てみたいだけなんで…」

「ゔ…わ、分かりました…」



断れるわけないよあんな黒い笑顔。あーこれが理央だったら凄い萌えるのにデートだよデートそれを僕はこっそりついてって観察するんだ!…けど、今日は僕ですかそうですか、萌えない…。

とりあえず、宇佐見先輩の顔パスでもう少しかかると思われてた手続きも終わり、車に乗って本土へ。まずはその出入り口から、校舎の方をカメラで構えて撮る。



「…創立祭のためと書いてありましたが…」

「僕らのクラス、展示みたいな感じにするんです。で、1日目テーマは『山之内』で、学園全体の写真撮るためには本土にこないと収まらないんですよ」

「そうでしたか…見てみたいですね、伊織の傑作作品たちを」

「んな凄いもんじゃないですって。…うーん…」

「どうしました?」

「いや、ちょっと構図が…あっちへいきたいんですけど…」



あっちっていっても、数m先とかじゃなくてずっと先。控えめにそういったら先輩は笑顔で車に乗せてくれた。あ、本当に一緒についてくる気なんですねまぁいいけど。そのまま車でブーンと、学園の島の端っこのとこまで。ここから撮るとモールが中心にくるな。

これで歩きながら反対側いって…橋の中央ぐらいからも撮りたいなぁ。



「…あの…つまんなくありません?」

「え?いえ、なんだか新鮮で楽しいですよ」

「ならいいですけど…ずっとこうですよ?写真撮り出すと、僕少し周りが見えなくなるみたいですし…」

「それって、凄いことだと思いますよ。邪魔はしないので、いいですよね?」

「っ…はい」



うわーちょっとドキッとしちゃったよ!だって真顔で凄いとかいうからさぁ。今日の先輩はなんか変だ。ほんとに僕のあとをついてくるだけで、何かするわけでも退屈そうにするわけでもない。理央じゃないのにいいのかな、とも思うし、でも撮り出すと僕も周り見えなくなっちゃうし…。



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あきゅろす。
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