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優しい目をした辰巳。
強く、指まで絡められたオレたちの手。暖かい…そう思っていたら辰巳がオレのおでこを小突いてきて、そして走り出した。

オレも、必死に足を動かしてあとを追う。



…ああ、もう、オレばかだ。



辰巳をびしょ濡れにさした雨は嫌いだけど、こういう2人で必死になる、少しだけ楽しい時間をくれた雨に感謝してるんだから。


…それからすぐ辰巳の家について、濡れた服のまま2人でお風呂に入った。

その…体は暖まったっていうか…熱くなりすぎた、けど…。



(もっとくっつけ、体冷やしたら風邪引くだろ)

(やっ、だっ…うぅ、分かってるもん…)







――ザァアア

『げぇ、傘持ってねぇよ』

『これくらいならいけるかなぁ…』


「………雨」


「ああ、雨だな。…また走っか?」


「あのときみたいに?」



校舎の昇降口に2人で立って、外を眺める。この前ほどじゃないけど、強く降る雨。

何人かの生徒は走って寮を目指し、何人かは立ち往生。
まぁ、寮も遠いってわけじゃないし…。


でも、でもさ、辰巳。



「て、手ぇ繋いで走るのもいいけど…2人で傘に入るのは、ヤ?」


「……んぁ?」


「2人じゃ狭いかもだけど、でも、その…相合い傘…なんて…」


「え、た…」


「……っ、ごめん!バカなこといったよね、あはは、ガキくさいっつーの。ねっ」



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あきゅろす。
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