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 ピカーン!と音がしそうなほど見事な快晴。朝からコンビニへ買い物にいった紅葉はもうテンションが高く、蓮見でさえも少し呆れてしまうほどで。

 そこへお弁当を持って菖蒲がやってきたものだから、さらにテンションのあがった紅葉に菖蒲も苦笑を漏らした。現在の時刻は11:30、楽しい楽しいお花見の始まりです。


「んーいつ見ても綺麗だよね…」

「っ…(コクッ)!」

「モ、ミジ…どこ、座る?」

「(えーっと)…」


 幸いというべきか、寂しいことにというべきか。他にお花見をしようと考える人はいないらしく、パッと見た感じでは人がいる様子はなかった。

 紅葉はあたりをキョロキョロと見回し、1本の少し大きな桜を選び、通路側ではなく森の中にシートを敷いてそこで食べることにした。シートの上に3人で座り、少し早いが菖蒲お手製のお弁当を広げる。


「っ、(わぁ…!)」

「……ぐ、じょぶ…アヤメ」

「あはは…やめてよ、そんな大したことしてないし…」

(お、美味しそう…っ、すごぉい!)


 一口大の、中身が様々なサンドイッチに、俵の形をした小さめのおにぎり。ハンバーグにウィンナー、卵焼きはもちろん、ちゃんと栄養バランスも考えてトマトなど野菜も入っている。

 それらを菖蒲1人で作ったことも凄いが、その彩りがとても綺麗だった。ちゃんと考えて作られているのが分かるが、菖蒲は少し頬を赤くして謙遜するだけ。もっと自慢していいのに…と紅葉は思った。


「はい、お皿。たくさん食べてね」

「(コク!)」

「……モミジ、かわ…い」

「ほら蓮見も。好き嫌いしないでちゃんと食べてよ」

「………」

「………はぁ」


 返答なし。蓮見の目はずっと紅葉に向いていて、菖蒲はため息をつきながらも自分の分をお皿に取り分けた。紅葉のお皿には、全種類1つずつ乗っていて、目はいまだキラキラとお弁当を見つめている。

 そしてハンバーグをパクリ。小さくてもしっかり肉汁も出てくるそれに、紅葉はふにゃあ…とした笑顔を浮かべ、ほっぺを押さえた。恐らく、『ほっぺが落ちるほど美味しい』といっているのだろう。



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あきゅろす。
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