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「……あ゙ーくそ、びしょ濡れじゃねぇか」
『ぇ…あ、久先輩!見つけましたぁっ』
「えーアリス行っちゃうのー?」
『ごめんね大和。僕久先輩とお話したいのっ』
「あー俺のアリスー」
アリスにその声は届きませんでした。
ウサギを追いかけてアリスも森へ入ります。
『久せんぱーいっ……ここかな?』
古木の中にはいません。
『うーん…久先輩足速いな。それに髪もスカートも邪魔だよう』
「アリスはそれが可愛いぞー」
「今度三つ編みにしようか!」
『ひわっ!!パパ!おじちゃんっ』
「「可愛い可愛いアリス。探しものかな?」」
そういって同時に手を差し出すのはディーとダムです。
2人して同じだらしない顔でアリスを見つめました。
『あのね、久先輩探してるんだけど…見なかった?』
「知らないな」
「知らないな。そんなことより…」
「「お話しよう!」」
ディーとダムはアリスの手を引いて丸太に座らせました。
アリスは聞きたい気持ちと探したい気持ちで困っています。
「あのときのアリスは可愛かったよな」
「それ知らないぞ。それよりもあの日の…」
「見ろこのアリス。小さくて可愛いだろー」
「こっちのアリスだって最高だ」
『ぅぅ…パパたち恥ずかしいよ…』
「あぁあ…今のアリスも最高だよなーっ」
「当たり前!知ってるかーアリス、あのときな…」
「そうそう、あのときはな…」
昔の話をし始めました。
とても楽しそうに、懐かしむように。
ですがアリスには時間がありません。
『ご、ごめんなさーいっ』
ディーとダムを置いてアリスはウサギを探しに出ました。
どこへ行こうか、あ、家があるではありませんか。
「いけねぇ…手袋がねぇ」
『や、やっと見つけましたー!』
「メリアーン、てめぇも探せ」
『え、て、手袋?メリアーン?あの、僕久先輩とお話が…』
「いーから探せ」
やっとウサギを見つけたのに話が出来ません。
アリスは渋々手袋を探す手伝いをすることになりました。
『んーどこ…?あ、クッキー!食べちゃえ』
(パクッ。ぐぐぐ…!)
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