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3月3日は女の子の日、ひな祭りだ。そう、女の子の日であって、男である僕には全く関係のない日。

……な、はずだったんだけど…。



「……北斗、なに、それ…」

「知らないのか?あられだ。こっちは白酒。これは…」

「いやいやいくら僕でもそれくらいは分かる!そうじゃなくてっ、なーんでここにあるのかって聞いてんの!」

「ふん、そんなもの…食べたかったからに決まってるだろう?」



他にどんな理由がある。
といかにもバカにされた感じでいわれたけど…なんかスッゴいムカつく。

アホクトのくせに僕を諭そうだなんて。


そりゃまぁ、男が食べちゃいけない理由もないけどさ、やっぱ女の子のために売られていたものってことを考えるとねぇ…。



「……香澄、こっち来い」

「えー」

「一緒に食うぞ。味は保証する」

「……しょうがないな。でも、その白酒はダメだからなっ」

「堅いこというな。飲みすぎなきゃ大丈夫だ」



僕ら未成年ですから!
未成年の飲酒は禁止されてますからぁ!

って北斗にいっても聞かないだろうな。たまーにどこから買ってきたのか、ビールとか飲んでるし。


うわーこのお酒も他のも、見た目からして凄く高そう…。
バイトしてるスーパーでも売ってるけど、もう袋から違いすぎる。

……め、滅多にない機会だから今日くらいはいっか。



「いっただきまーす」

──パクッ

「……ん、このあられうまぁ」

「クク、そっちからいくあたり、ガキだな」

「む…なんだソレ。お酒を先に飲んだ方が大人ってか。色眼鏡のくせに…」

「…お前な…」



ソファーの背もたれに左腕を乗せて、右手で杯を持って飲む姿は、悔しいことに様になってる。

クク、と喉で笑った北斗に凄く子供扱いされた気がして、僕は北斗が注いでくれたお酒を、一気に飲み干した。

小さな杯一杯だけど、喉を通っていくときにちょっとクラッときた。



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