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*紅葉視点



「(アヤちゃん、)」

「……、…ん?紅葉、どうかした?」

「! (フルフルッ)」

「そう?ならいいけど…」



ビ…ックリしたぁ…。

名前呼んだけど、声は出てへんのにアヤちゃんが振り向いたんだもん!
凄い凄いっ、超能力とか使えるのかなっ?

それかね、きっと困ってる人の声を聞くことの出来る耳を持ってる、思うの。


アヤちゃんは初めて出来たお友達っ。美人さんで、凄い優しいの!

小児科医になるためにこの学園に通うてるって聞いたときは、ピッタリだ!って思ったもん。



「それにしても…ほんと、酷いよね。紅葉のこと何も知らないくせに…」

「……?」

「周りの声、絶対気にしちゃダメだからね?」



あ、これアヤちゃんもハーちゃんもよくいうことの一つや。

誑かしてるとか、淫乱とか、顔だけでしょ、とか。
僕がアヤちゃんたちとおるから、悪口をいわれとるみたいなの。


でも…でもね、毎回ゆうとるけど、ホンマに僕気にしてないんだよ?

だって半分は意味分かんないし、分かるやつだって違うことは誰よりも僕が知っとるもん!



『周りがなんといおうと、紅葉は一番可愛くてメッチャエエ子や!自分に自信持ちぃっ』


えへへ、うん、若ちゃんっ。
僕は僕。ちゃーんと分かってくれる人もおるし、全然平気!

あ、でも…、



「(あ・り・が・と・う)」

──ニコッ

「……うん、そうだね、紅葉は強いもんね」



ふふっ、て笑うアヤちゃん。
ふわぁ…綺麗!
えっとなんやっけ……あ、お花が咲くみたい、だっ。

へへっ、僕アヤちゃんの笑顔大好き。凄く綺麗で、心がほわーってなるん。


あ、そんなこと思っとるうちに生徒会室についたみたい。
アヤちゃんがドアを開けてくれて、ペコッて頭を下げながら先に入らせてもらうん。

入らへんと、どーぞって背中押してくるんだもん。
美人さんだけど、誰よりも紳士なんだよ、アヤちゃんはっ。



「……お、紅葉チャンやん。いらっしゃーい」

「…!ぁ…っ、」



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