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「……弘樹君?…ごめん、少し焦りすぎたかな」
「ちが…っ、だって俺、何の取り柄もないふっつーの奴だし、のの、ノーマルだし…っ」
「? 弘樹君は可愛いよ?じゃなきゃキスしたい、なんて思わない」
「キッ!?ちょ、ギャー近いちか…ンむ!?」
「少し、静かにしよう?ムードが台無しになっちゃう…」
そういって、またキス。
初めてではないけど男とは初めてで、綺麗な顔が近くにあって俺の唇を見ていて、優しく触れるようにキスをしてくる。
心臓ヤベェ!
てか…うわっ、熱…柔らか…っ。
「ン…ん、ふ…っ」
「好きだよ…愛してる。あの2人に負けないくらい幸せにするから、弘樹君の返事を聞かせて…?」
「な、つめ…」
「じゃないとキス、以上のことしちゃうかも」
「……はいっ?」
「僕もね、男なんだよ。好きな子とキス出来て凄く舞い上がってる」
そして、チュッとまたキスをしてどこか艶めかしく微笑む棗。
一気にブワーッと顔が熱くなって、俺の顔を固定する手を慌てて掴んだ。
その棗の手が冷たいのか、俺の手が熱すぎるのか…っ。
あぁあ゙ーもう!
俺、全然悩んでねーしっ!
「っ…棗!」
「わっ…うん?」
「お、俺はなんの取り柄もないし、棗みたいに綺麗じゃないからつり合わねーだろうし、エータみたいに健気で可愛くもないっ。返せるもんは多分、何も持ってないっ」
「………うん」
「でも…っ、でも!す、好きになっちゃったんだから最後まで責任とれよなっ!!」
いったぁああ!
んでもって勢いに任せてブチューッと唇を合わせてやった。
うぅぅ、認めたくなかったわけじゃない。恥ずかしかったんだと思う。
俺…多分結構前から棗に惹かれてたんだ。だからこそ、エータたちが羨ましく思えたんだ。
「ぷは…っ!後悔しても知らないからなっ」
「っ…うん、うん!大好きだよ弘樹君…っ」
「んむ!ちょ…っ、は、ン…ッ、んんっ」
「っは…最高のクリスマスプレゼントだよ…弘樹君にも、僕をプレゼントするね」
「え、ちょ、待って棗!俺まだそこまで…っ、ギャアアア!!」
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