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「こっ……ま、まぁ」


「だから2人はデートでもいくだろうなって。僕も、好きな子と過ごしたいし」


「っ…」


「あの2人を見てると羨ましくて。ここ最近はあれだったけど…依存までしてみたいとも思わないけど、でも羨ましい」



棗…。
俺だって、あの2人の仲のよさには妬けるし羨ましいと思ってるけど、棗の表情からは本気で思ってることが伝わってくる。


全く関わりのなかった棗と、タッツーが来たことで出会って、それからなぜか俺にちょっかいかけてきて。

怖さもあったけど色々話してるうちにそれもなくなって、今では2人で部屋で食事をとるまでに。


あれ、なんか…うん。



「俺もさー、エータ見てると嬉しくもなって、羨ましくもなんだよなー」


「……弘樹君の中の一番って、誰なの…?」


「はっ?…親だしょ!」


「親以外は?」


「……エータ。心友だし。あーでもエータってあの様子じゃ絶対友達より恋人派だな」



おはっ、悲しー!
俺の片思いみてーじゃんっ。

エータがそれでいいなら俺はいいんだけどさ。どうせ俺たちが仲良くなったキッカケもタッツーと会ってエータが変わったからだろうし。


とか思ってご飯を食べ進めてたら、棗が不機嫌そうに俺を見てた。
少しだけ、ドキッとした。



「僕も恋人を選ぶよ。むしろ僕の中の一番が弘樹君で、弘樹君には恋人になってほしいと思ってるから」


「は…はは、大袈裟なっ」


「大袈裟じゃないよ。いったよね?好きだって、僕は君を守るよ、って」


「っ……」


「返事、待つっていったけどあまり先も長くないし…弘樹君は僕のこと、どう思ってるの?」



ジリジリと、いいながら近づいてくる棗に俺も少しずつ後ずさる。

真剣な瞳が怖くなって目をそらせば、まるで拒絶しないでというように両手で俺の顔を自分の方へ向けた。


うわっ、綺麗な顔……俺とじゃ大違いだ。

エータはかっこいいとはいってくれるけどさ、でもみんなと食堂とかいったとき聞こえてくる言葉、本当だと思うし。


平凡で、地味で、馴れ馴れしい…なんて。



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あきゅろす。
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