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『それじゃあ行ってきます』
エータは凄く幸せそうにそういって、これまた幸せそうなタッツーと出かけていった。
世間ではクリスマス。
去年はエータと寂しく2人で祝ったよな……って今年の方が寂しくね!?
俺1人じゃん!!
……と、気づいたとこで男だし特に気にすることもなく、エータにもらったゲームをして過ごすことにした。
◆
「ちっくしょー…暇だぜ」
あれから結構経って、ゲームばかりも飽きてきた。
2人は今ごろ何してんのかな。
俺さーずっと…っていっても高1からだけどさ、エータといたじゃん?
だからエータが今どれだけ幸せなのか伝わってくるわけ。
少し…羨ましかったりもするんだよなー。
「あーあ…こんなとき……っ、いや、え゙!?」
なな、なんで今棗がいればとか思ったんだ!?
いやっ、俺は別に1人でも平気だし、あっちがちょっかい出してくるだけで俺は鬱陶しいと思ってた…はずなのに?
そういえば今日は会ってないことを思い出す。
クリスマスという日だからこそ、棗はくるんだろうな、なんてどうして思ったんだか…。
「はぁ…これじゃまるで俺…」
──ピンポーンッ
「ぅおっ!?…だだ、誰だっ?」
まさかエータたちがもう帰ってきた…なんてことはねーな、うん。
じゃあクラスの奴ら?それとも…。
可能性はあるかも、と思って少しドキドキしながらドアを開ければ、そこにはやっぱり棗がいた。
俺を見て笑いかけてくれ、少し寂しかった心が穴を埋める。
………うわっ、棗を期待してたみてーじゃん!
「こんにちは、弘樹君。あがってもいい…かな?」
「っ…あー…何もないけど…」
「ありがとう。…あ、これね、プレゼント。弘樹君とクリスマスパーティーしようと思って」
「へっ?うわ、ピザに寿司!」
「ちょっと持ってて…まだあるんだ」
そういって足元に置いてたのか、ケーキとチキン、それから…シャンパン?を手に部屋の中へ入ってきた。
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