4 ──ぶっ 「オレ、も……き、になる」 「いいな、雅もいねぇし」 賛成賛成とあがる声。 冗談じゃねぇよ、ムリに決まってんだろ…つーか俺があがらせるつもりねぇよ。 いくら俺の素性を知ってるとはいえ、家はヤクザだ。 親たちがOKしても俺は呼ぶつもりはない。 こいつらは関わっちゃいけねぇ世界だ。 だから周りでハシャぐのをシカトしていると、ケータイが鳴って背筋が冷たくなった。 この感じは…、 「出ないのー?」 「……でる、しかねぇよ」 ──ピッ 「……なんだ」 『おや、一言目がそれですか?せっかくお電話差し上げたというのに寂しいじゃないですか。……ああ、それとも会えなくて寂しくて拗ねてるんですか?ふふ、可愛らしいじゃないですか若』 ……は、は…言い返す気力ももうねぇよ。 案の定、電話の相手は雅で、このタイミングでかけてきたことが嫌な予感しかしねぇ。 さっさと切ってやろう、そんなことを思っていたら電話をスピーカーにしてくれていわれ、仕方なくみんなにも聞こえるようにしてやった。 『あけましておめでとうございます、若に群がる変態でお馬鹿な虫けらさんたち。どうせみんないるのでしょう?全く、私がいない隙に若に手ぇ出そうとするなんて…百憶年早いんですよ』 「えっ…な、何で分かったの…!?」 「理人、教えたのか?」 「……いんや」 『ふふ、それくらい私は分かりますよ。愛する若のことですから。ああそうそう、電話したのはぜひ忠告を差し上げようと思いましてね。……家に来たりしたら私が地の果てまで追いかけますので。ふっ、ふふ…抜け駆けは許しませんよ…?』 電話越しからでも伝わってくる黒く冷たいオーラに、俺だけじゃなくここにいる全員が身震いをした。 雅のいうことは冗談じゃすまねぇから嫌なんだ。 それを分かってるからか、猛敏や晏は雅が見てねぇのに何回も頷いていた。 『分かってくれればいいんですよ。ああ、私も早く若とお会いしたいです…冬休みが終わったあとは覚悟して下さいね?』 「一日に会っただろ…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |