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──ぶっ


「オレ、も……き、になる」


「いいな、雅もいねぇし」



賛成賛成とあがる声。
冗談じゃねぇよ、ムリに決まってんだろ…つーか俺があがらせるつもりねぇよ。

いくら俺の素性を知ってるとはいえ、家はヤクザだ。
親たちがOKしても俺は呼ぶつもりはない。

こいつらは関わっちゃいけねぇ世界だ。



だから周りでハシャぐのをシカトしていると、ケータイが鳴って背筋が冷たくなった。

この感じは…、



「出ないのー?」


「……でる、しかねぇよ」


──ピッ

「……なんだ」


『おや、一言目がそれですか?せっかくお電話差し上げたというのに寂しいじゃないですか。……ああ、それとも会えなくて寂しくて拗ねてるんですか?ふふ、可愛らしいじゃないですか若』



……は、は…言い返す気力ももうねぇよ。
案の定、電話の相手は雅で、このタイミングでかけてきたことが嫌な予感しかしねぇ。

さっさと切ってやろう、そんなことを思っていたら電話をスピーカーにしてくれていわれ、仕方なくみんなにも聞こえるようにしてやった。



『あけましておめでとうございます、若に群がる変態でお馬鹿な虫けらさんたち。どうせみんないるのでしょう?全く、私がいない隙に若に手ぇ出そうとするなんて…百憶年早いんですよ』


「えっ…な、何で分かったの…!?」


「理人、教えたのか?」


「……いんや」


『ふふ、それくらい私は分かりますよ。愛する若のことですから。ああそうそう、電話したのはぜひ忠告を差し上げようと思いましてね。……家に来たりしたら私が地の果てまで追いかけますので。ふっ、ふふ…抜け駆けは許しませんよ…?』



電話越しからでも伝わってくる黒く冷たいオーラに、俺だけじゃなくここにいる全員が身震いをした。

雅のいうことは冗談じゃすまねぇから嫌なんだ。
それを分かってるからか、猛敏や晏は雅が見てねぇのに何回も頷いていた。



『分かってくれればいいんですよ。ああ、私も早く若とお会いしたいです…冬休みが終わったあとは覚悟して下さいね?』

「一日に会っただろ…」




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