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割り込んできた和也に左手を、右手は来たときからずっと晏に繋がれたまま、順番を待つ。



「でもー着物ーやっぱ似合うよねー」


「……そうか?」


「似合う似合う!」

「色っぽいぜ、りっちゃん」


「だがもっと緩く着ていいんじゃないか?せっかくの肌が隠れてる…」


「……翔平、お前俺に凍死しろっつーのか?」



つか、こんなにキッチリ着ることは滅多にねぇ。外に長く出るからってことで隙間なく着ただけだ。

……ま、こいつらが近くにいんならキッチリ着とくべきなんだろうが。



「りっちゃん、あのね、僕カイロ持ってきてるんだよ!」


「………あ?」


「ほらっ!えへへ、寒かったでしょ?……どぉ、暖かい?」



ポッケから出したソレを俺の頬に押し当ててくる晏。
外にいて冷え切った顔にはすげぇありがたく、笑顔でそれを受け取った。



「ああ……あったけぇ」


「っ……えへ///」


「っ……理人、暖か、い?」


「いや…歩きにくい」


「ぅ……うぅ、」



ショック受けんなよ。
ただでさえデケェ和也に腕抱えられりゃ、暖かいどころか邪魔だろ。


で、結局晏はなんかポヤポヤして俺から離れ、和也はショックで動きが止まり、俺の横には猛敏がやってきた。

後ろで聞こえる舌打ちは翔平のか?



「それにしてもさ、」

「声かけられないっていいよな」


「「りっちゃんのおかげ?」」


「……一応俺だろうな。知ってる奴は知ってるだろうし…髪色で話がいってるはずだ」



『赤髪の男前は紅井組だと思え』


髪色はいいがその男前って部分はどうにかして欲しいが。

だが、これに便乗して髪赤くして嘘つく奴もいるらしいし、どうかと思うんだがなぁ…。



「へー…でもさ、りっちゃんがどんな有名人でもさ…」

「俺たちは俺たちを分かってくれたりっちゃんが好きだから」


「……は?」


「「可愛い可愛いりっちゃんでしかないんだよね、これが」」



──チュッ


「っ…ふ、ざけんな!」



なぁにが可愛いだ、人前で頬にキスなんかしやがって!
思わず出た両手は正当防衛だ。

……たとえ2人の腹に綺麗に入っちまったとしても。




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