3
「するならこれくれぇのことしてみろよな」
『そっ、そんなの…!///』
「涼…」
『っ…久、せんぱ……んっ、んん…ハッ…ぁんん』
─クチュッ、ヂュッ
『んん!!ん、む…んはッ、ああっ…んぅ』
「…はっ…もうギブか?」
起き上がった久にくてんと寄りかかり、荒い息を繰り返す。眠かった所にそのキスはより眠気を誘ったらしく、次第に力が抜けていくのが分かる。久は優しく涼の口を拭った。
『ぅん…っ…せんぱ、の手…大きくて、好きです…』
その手に擦りよるようにして身をよじり、涼はそのまま眠りについた。大きな瞳は今は閉じられ、プルンとした唇がキスを誘うように動く。
金色の髪は全然傷んでいなく、そっと抱き寄せた体は力を入れたら折れるんじゃないかと思うほど細い。久は自分が人を好きになるなんて思いもしなかったが、涼に告白されて本当は飛び跳ねたくなるほど嬉しかった。
"嫌いじゃない" そのときはそんな言葉しか出なかったが、意識するようになってからは涼のことばかりだ。この小さくて儚い体、涼を守りたい。いっそのことこの手で壊してしまいたい。でも…、
「…嫌いになるな…」
素直な涼のように気持ちをハッキリいえる訳じゃないから。他の人たちみたいに物凄く甘やかす、なんてこと出来ない。だけど、好きだから。
「………愛してるぜ、涼」
涼をその気にさせたのは、久。
久をその気にさせたのも、涼。
不安要素はそこら中にたくさんあるが、絶対に離れてやらないと2人は思い、行動に移す。
暖かい日がポカポカあたり、横ではスヤスヤ眠る愛しい人。さて、もう一眠りでもしようか…。
end
リクエスト本当にありがとうございました!
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