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涼をフェンスに寄りかかるように座らせ、自分はその膝の上に頭を乗せる。いわゆる膝枕を勝手にやっても涼は怒りもせず、嬉しそうに目を細めた。


『食後の一服はしないんですか?』

「……涼がいるから」

『へへ、ありがとございますっ』


上を向けば、金色の髪をサラサラと揺らしながら久を見てる涼がいる。その光景に満足したのか、久はゆっくりと目を閉じて次第に規則正しい吐息を漏らす。

人前では寝ない久が涼に身を委ねている瞬間だ。涼は茶色とピンクの髪に指を絡め、愛おしそうに撫でた。いつも助けてくれるヒーロー的存在の彼。想いを告げたときは緊張と不安で胸が張り裂けそうだった。


『もっと…好きになっちゃったんですよ…』


嫌いじゃない、と顔を赤くして返事を返してくれた久。それが精一杯の告白だと気づいた涼は、嬉しさのあまりその場で抱きついて軽くキスもしてしまった。

いつもシワの寄ってる顔が、涼にだけ優しく笑ってくれた。


『ふぁぁッ…』


スヤスヤと眠る久を見てると自分も眠くなってくる。でも、この一時をもっと大事にしたいからと涼は健気に起きていた。


スッと通った鼻。付き合ってから"愛してるぜ"とよく囁く、何回もキスしたくなる口。そんなカッコイいと思える容姿も好きだが、何よりもぶっきらぼうな優しさが一番好きだった。


ずっと眺めていた涼だったが、もうすぐ授業が始まるので久を起こしに入った。久はよくても涼は授業に出たいのだ。


『先輩、起きて……久先輩』

「ん……」

『ぁ……っ、先、輩…』


─チュッ…


うるさそうに尖った唇が目に焼き付き、涼は身をかがめて静かにキスをした。その柔らかい感覚に久もやっと目を開ける。


「……何勝手なことしてんだ」

『あぅ…だって…ンんぅ!?…っ…は、』


恥ずかしそうに目を潤ませた涼の頭を引き寄せ、舌を差し込む。ぐるっと一周してからもう一度涼を見ると、もっと真っ赤になった涼がいた。

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