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「涼…」
『あ、とーやっ!一緒に寝る?』
「っ…寝てやってもいいぞ」
『えへへ、寝よっか』
うさぎの耳がついたパジャマを着ている涼にドキッとしながら、十夜は一緒の布団に入る。2人でも大きいベッドに向かい合わせに寝っ転がると、顔を仄かに赤くした十夜と涼の目があう。
「お、おれ涼好きだぜ」
『? うん、僕もっ』
「大人になったら結婚してやる」
『わぁ…そしたらずっと一緒にいれるね』
「やくそくだからなっ」
『うん!』
そう涼が頷くと十夜は満足そうに笑い、2人で手を繋いだまま眠りについた。
あの事件が起きたのはこれから1ヶ月後の話だ。
「っ…次は絶対涼を守るからな!俺、つよくなるからっ」
『へへ…おに、ちゃ…失格だね…』
「違う!俺がよわかったんだ…っ、ごめん兄ちゃっ…」
あの事件は涼だけでなく十夜にも深い傷を残した。弱々しく笑う涼にワンワンと泣き、そして大和に喧嘩のやり方を習うのだ。
大事な人を守れるように、
あの笑顔を絶やさないように。
9歳にして十夜は心に強く誓いをたてるのであった…。
END
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