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このお話は6年前、涼が10歳で十夜が9歳のときのお話です。
恋という気持ちを少しずつ認識し始める4年生。十夜の気持ちはもう涼に向いていた。
「涼、あそんで」
『んっ?いいよ。なにしよっかぁ』
まだ小さいくせにどこか生意気な性格で、でもまだ子供っぽさが残っている。少しキツくなり始めた目つきはまだ可愛らしさがあり、身長も涼より5cm低い。
一方涼も身長差がなければ十夜の弟といってもいいほど幼く、でもお兄ちゃんを頑張ろうと十夜に接している。そんな2人は今よりも仲が良く、ご近所のマスコット的存在だった。
『あ、一兄ちゃんも呼ぶっ?』
「いらねーよ。俺、涼と2人がいい」
『そう?じゃあお絵かきしよっか』
「俺そんな子供じゃねーもん!ボールで遊ぼうぜ」
『えーしょうがないなぁ』
2人で仲良く手を繋いで外に出る。ボールを投げたり蹴ったり、子供というのは同じことをずっとやっていても飽きないのだ。気がつけば空はもう赤くなっていた。
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