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「隼人、なんか飲む?」

「ああ、じゃあコーヒーを」

「あいよ。ちょっと待っててな」


んー俺はやっぱ緑茶かな。
って玉露あんじゃん。飲んじゃおっと。

これがまた高級なやつで、俺のじゃないから遠慮なく飲んでやろうと準備をしていた。


だけど隼人が後ろに回って、抱き締めてくる。


「っな、なに?」

「いや…新婚みたいでいいなと思ってな」

「はぁ?つか離せ、動きにくい」

「一夜から甘い匂いがするな」


そういって耳の後ろあたりに鼻を擦り付けてくる。

んなとこから甘い匂いするわけないじゃんかっ!


「ン…ちょ、やめ、隼人っ」

「……チッ、まだ終わらないのか?」

「そっちが邪魔したからだろ!?ったく…すぐ出来るから待ってろよ」

「ああ…今の言い方、いいな。すぐ来いよ?」


チュッと髪にキスをし、隼人は戻っていった。……なんだよ…これじゃあほんとに夫婦みたいじゃんか。

……ってぅあ…なに考えてんだ俺!忘れよう。んで、早く持ってって玉露が飲みたい。


「……お待たせ、はいコーヒー」

「悪いな。一夜のはなんだ?」

「玉露。……っち、あっつー…」

「ククッ、大丈夫か?」

「ん、へーきへーき。……んっ、うわ、うめっ」


なんだこのお茶、今までで一番かもしんねぇ。

久しぶりに満足を越すお茶に出会えて、しばらく頬は緩みっぱなしだったと思う。
だって俺をみていた隼人が微妙にニヤケてたもん。


「一夜、実は今日呼んだのは渡したいものがあったんだ」

「へっ?」

「まずは俺の上に座ってくれ」

「……いやいや、意味分かんないから」

「たまにはいいじゃないか、な?」

「っ……今日だけだからな」


玉露に感謝しやがれっ!


2人がけのソファーに座った隼人の上に、向かい合うように跨った。手を引かれてほぼムリヤリだったけど。


お、生え際が黒い。


「なに見て…あぁ髪か。黒に戻そうかと思ってんだ」

「え、戻しちゃうのか?…俺は結構好きなんだけどな」

「よし、明日染めよう」

「はぁ?…はは、俺が決めていいのかよ」

「一夜だからいいんだ」


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あきゅろす。
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