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2008年 12月25日
日本はクリスマス一色となる。


今年もみんなでクリスマスパーティーをしようと前日に涼は計画をたてていたのだが、なぜかみんな予定が合わないと言い出した。誰か、ではなくみんなだ。


『ど…してもダメ……?』


((ゔっ……))


「ごめんね…涼」

『分かった……ごめんなさい。ワガママいって…』


目に涙を溜め、これでもかというくらい涼は落ち込んだ。それからはみんなの慰めも虚しく終わり、涼は1人部屋に帰っていった。



そして次の日、どの人もみんなクリスマスを楽しんでいるのに対し、涼は全く布団の中から出ようとしない。膝を丸めて顔を埋めて出来るだけ小さくなる。

一日中そうしているつもりなのだろうか…?


『つまらないよぉ…っ』


布団の中から小さな声が聞こえてきた。よほどショックだったらしい。せめてみんなといるだけでも…と思っても朝から用事で出かけるらしく、南も良も2人で出かけるため一緒にいることは出来ない。

いっそのこと家に帰っちゃおうか…と考え、涼が服を着替えたとき部屋のチャイムが鳴った。もしかしたら誰か用事がなくなったのかも!と思い、慌てて嬉しそうにでる。


『か…海くんっ!』

「おはよう涼」

『何でっ、何でっ?』

「あぁ…1時間だけ時間ができてな。遊びにきた」

『1時間……そっか。ありがとう』


時間は少ないけれど会えたことが何よりも嬉しい。涼は海に抱きついたまましばらく離れなかった。


「……泣いてたのか?」

『な、泣いてないよっ。えと…今起きたとこで…』

「…そうか。ならご飯にしよう」

『うん!食堂行こっ』


あ、でもその前に顔洗ってくる、といって涼は洗面所に走っていった。海がパッとみて分かるほど涼の目は真っ赤で、すまないことをしたと思う。それでも…仕方のないことなのだ。顔も髪もびしょ濡れにしてやってきた涼を連れ、2人は食堂へ向かった。


そこもクリスマス用の飾りがしてあり、料理を運んできた人もサンタの格好をしていた。一瞬涼は本物と勘違いをしてしまい、ウェイターさんを困らせていた。


『いっただっきまーす』


─パクッ


「美味いか?」

『うん!ほははふいへははらほいひー』

「ははっ…食ってから喋ろ、ほら…」

『んくっ、ごめん///えへへっ…』


ちなみに今のは"お腹空いてたから美味しい"だ。

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