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――知る事





無知である事は決して悪くない、のかもしれないけど。

やっぱり知ってた方が何かと良い事があるのは確か。



















「最近改めて思うけどさ、世界って広いんだなー」




アルビオールの窓から外を眺めていたルークは、何気なくそう言った。

やや後ろでアイテム整理をしていたティアは、亜麻色の髪を揺らしながら彼を振り向く。




「どうしたの?突然ね」

「まぁな」


ルークは窓に寄り掛かるようにしてティアを向き、小さく笑った。




「最初さ、お前が屋敷に来て、超振動で飛ばされて……何も知らない俺にとって、外はウザい事だらけだった」

「そうね。泥棒に間違われたり」

「それ言うなよ」




今でも思い出すのは嫌らしく、ルークは眉根を寄せて唇を尖らせた。
そんな彼を見て、ティアはクスクス笑う。




「でも、それは全て今の貴方に繋がっているでしょう?」


そう言ってルークを見るティアの顔と声は、どことなく楽しそうだった。




「そうだなー……何も知らないばっかだった昔よりは、全然今の方がいい。
そりゃ、知らなきゃ良かったと思う事は沢山あるし、旅は辛い事とか、苦しい事とかあって大変だけど……
旅してないと分からない、嬉しい事とか、感動する事とかもちゃんとあるんだよな」




窓の外に架かる音譜帯をちらりと見ながら、ルークは笑顔でそう言った。




「――よかったよ。旅してて」

「……そう」




ティアは顔にかかる髪をかき上げ、静かに微笑んだ。









無知である事は決して悪くない、のかもしれないけど。

やっぱり知ってた方が何かと良い事があるのは確か。




















********

何も知らない真っ白なルークだからこそ、知った時の衝撃や感動は人一倍強くなるんじゃないかと思うのです。

ティアが出てますが、特にカップルな話ではありませんでした(笑)
ガイとかジェイドでも良かったですね。
……ジェイド出すと色々面倒臭い事になるんですが(オイ)

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