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電子歌手は理想恋愛の夢を視るのか2
「で、何の話?」
「いや、別に、何も」
「へー、俺はてっきりアノ子の話でもしてんだと思ったけど聞き間違いかなぁ?」

ちくしょう分かってんなら訊くな性格わりーな

「ふーん」
「何その棒読み恐いんですけどルキさん」
「いいのかなぁー、俺に嘘なんか吐いちゃって。しかも性格悪いとか思っちゃって」
「嘘じゃない。って言うか人の頭ん中まで読まないでくれ」

詮索される前に逃げる方がいい
って言うか逃げなきゃ絶対ボロが出る。俺嘘下手だし

「ユーザーのマイピクチャ」
「…ん?」
「の、風景フォルダ」
「…え、ちょ」
「の、新しいフォルダ(2)」
「いやああああぁぁぁぁ!!!!」
「ど、どうしたのだ主!! 気でも触れたか!?」

先刻まで狼狽していたがくが正気に戻って俺に声をかける
自分の主が突然頭抱えて絶叫すればそりゃ心配しますよねー
反対にがくの隣でルキは腹を抱えて笑ってやがる。ちくしょう

「何故それを知ってるんだお前はああああ!!」
「だって、げほっ、アンタ分かりやすいんだよ。あー腹痛い」

噎せる程笑うとか酷くないか。俺マスターなのに

「まあ忠告として聞きなよ。名前の付いてないフォルダなんてイケナイものが入ってますって言ってるようなもんだろ」
「ハイ、キヲツケマス」
「で、その中身が物語るようにぃー…」
「イワナイデクダサイオネガイシマス」
「…ねー、俺がなんでアンタにとっての極秘情報を握ってるって話したと思う?」
「……からかう為、じゃないのか」

言うとルキは笑みを一段階深めて、人差し指を己の唇に当てた
彼の姉にそっくりなその表情と仕草に、俺は嫌な予感しかしなかった

「俺とアノ子の仲、取り持ってくれるよね?」

こう云う時だけ甘えた口調になるこの男の言葉は、やはり予感通りだった

10/04/12

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