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蠎は愛しき処女の血を啜る
 
「…離して、下さい」

夜具の上で、少女は自分に被さる男に言った
しかし男の方は、言葉に答える事も願いに応える事もしなかった
さらりと、男の肩から黒髪が流れる
少女の頬を擽るが、少女はそれを払う事は出来ない

「大蛇丸様」

男の名を呼んでみる
これには、なぁに? と男は答えた
聞こえていない訳ではないらしい

「離して、頂けませんか」
「嫌よ。また斬りかかられるのは御免だもの」

掴む少女の手には、クナイが握られている
その細い手首を掴む手に僅かに力を込めれば、それだけでも少女は痛みに顔を歪めた
クナイが手から擦り抜けて、落ちる
大蛇丸はその口から赤い舌を覗かせて、愉快そうに笑んだ

「こんなもので私は殺せないわよ
 でも、斬られれば私だって痛いの」

部屋の小さい灯りが大蛇丸の首筋を照らす
薄く傷が付き、うっすらと血が滲む首筋を

「どう償ってくれるのかしら」

少女の首筋に、赤い舌が這う
ぞわりと粟立つ感覚に、少女は小さく息を漏らす

「お前は私の部屋に来て私を襲った
 私が飢えた蛇だと知っているのに、ねぇ?」
「っ…」
「逃げたいの? 私から
 だから殺そうとしたの?」
「…そう、ですよ。私はもう、貴方には、ついていけない…!」
「そう。…なら──」

大蛇丸は掴んでいた手を離す
掴まれた部分で止まっていた血が一気に流れ、ジンジンと熱くなった

「──いいわよ。出ていっても」
「…え……?」
「此処を出ていって、お前は一人でも生きていけるかしらねぇ?」
「…それ、は…」
「いけないわよねぇ? だってお前は、」

大蛇丸は少女の首に噛み付いた
皮膚が破れる苦痛に、少女は悲鳴を上げる
大蛇丸は顔を上げて、満足そうに目を細めた

「お前は、私のモノだもの」

◆◇◆◇

大蛇丸しゃま口調分からんぜよ

09/02/22

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あきゅろす。
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