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Menu:Lunch 〜混合〜
忘れないで 今はまだ小さな花びらだとしても
「ゆき、どこへいくの!」



若い、お母さんの声が聞こえたので振り返るとゆきちゃんがこちらへ走ってきた。



「さよちゃん!」



きゅーっと抱きしめてくる。



「まぁ、さよちゃん。それに蓮二君も」



ゆきちゃんのお母さんも駆けつけた。



「ママー、写真とって!」

「ふふ、いいわよ」



蓮二君、私、ゆきちゃんの順で並んで撮った。



「ありがとー! ママ」

「はぁい」



にこにこっと笑うゆきちゃんのお母さんの顔が本当にゆきちゃんとそっくりだ。

・・・ふと自分の母親を思い出す。






ほらさよ、写真撮るわよ〜



この桜の木なんてどうかしらね。



はい、チーズ!






「・・・ちゃん、さよちゃん、大丈夫?」



気がつくとゆいちゃんに顔を覗き込まれていた。



「顔が近いぞ、ゆい」

「わ、ごめんね!」



蓮二君に言われて一歩ひいた。



『ふふ、ぼーっとしてた』

「これから中学生になるというのに大丈夫か?」

『失礼な、大丈夫だよ!・・・たぶん』

「おや、それは心配になる発言ですね。さよ?」



菊さんが眉をくいとあげた。



「これはもう一年、小学生やりなおしですかね?」

『や、やです! しっかりしてます!
1×1=1 1×2=2 1×3=・・・』

「いちの掛け算は誰でもできるだろう」



蓮二君が突っ込むとその場にいる皆が笑った。
少し恥ずかしかったが私もつられて笑った。

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あきゅろす。
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