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Menu:Lunch 〜混合〜
教室の窓から桜の雨 ふわり手のひら心に寄せた
無事、私は退院し蓮二君とゆきちゃんとともに小学校生活をすごした。
クラスの雰囲気は元に戻っていたがあまりいいものではなかった。
でも蓮二君やゆきちゃんと過ごす時間の方が長かったのでそんなこと気にしなかった。
かのんちゃんの方はあちらから接触することもこちらから接触する事もなかった。

いつも土日のどちらかは一緒に遊んで過ごし、私達はこのまま中学も一緒かと思っていた。
しかし先日、私と蓮二君のみ私立受験をすることが分かった。
普通は市町村から決められた学校に行くのだからゆきちゃんが正しいだろう。
でも、少しショックだった。

私達はできるかぎり一緒の時間を増やそうとたくさん遊んだ。
が、どんどん過ぎていき、とうとう卒業式前日となってしまった。



「あ、さよちゃんの立海の制服?」

『うん、そうだよ』



今、私の家で制服の見合いっこをしている。



「ネクタイがあってなんだか大人っぽいね!」

『そうかい?
ゆきちゃんのほうがスカートがチェックでかわいいから私はこっちのほうが好きだねぇ』

「えへへ、そう?
蓮二君は同じ中学だけどなんかかっこいいね」

『うん、でもまだ似合ってないね』

「あたりまえだろう、着慣れていないんだから」

『そりゃそうか、ふふ』

「いいな・・・私もさよちゃんたちと一緒が良かったよ」

『私もだよ! なんだったら今すぐにでもゆきちゃんと同じ中学になりたいよ・・・』

「さよちゃん・・・」

「中学生になったら、きっと時間がなくてあえないだろうしな」

『せやね・・・』



空気が重くなり、沈黙が生まれる。



「あのね」



沈黙を切ったのはゆきちゃん。



「さよちゃん達が助けてくれたとき、本当に嬉しかった。
お友達になれて本当に良かった・・・。
いままで・・・ありがとう・・・!」



ゆきちゃんは泣いた。
私は泣きそうになったが、こらえてゆきちゃんを抱きしめた。



『何いってるの。私もゆきちゃんとお友達になれて嬉しかったよ。
こんなにいい子と友達になれて私、運使い切っちゃったかも! ・・・また中学生になっても逢おうね』

「うんっ・・・絶対逢おうね!」

「約束だな」

『うん、約束』



私達は指切りをして、それからはいつもみたいに外では遊ばなかったが室内でめいいっぱい遊んだ。







「また明日ね」

『うん、また明日。
気をつけて帰ってね』

「もしあれならゆきは俺が送っていこうか」



蓮二君が気を遣う。



『いいのかい?』

「あぁ、大丈夫だ」

『なら任せようかねぇ』

「れ、蓮二君、私平気だよ!」



少し頬を染めたゆきちゃん、やっぱり可愛い。



「いや、すっかり辺りは暗いからな。送るぞ」

『そうだよ、それに明日で当分会えなくなってしまうからさ・・・』



自分で言葉にすると余計に悲しくなるものだなぁ、と思う。



「そう・・・だね。うん、お願いします」

「あぁ、了解された」

『ふふ、お願いね』



私はその後、明日の卒業式に備えて早く寝た。

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