Menu:Lunch 〜混合〜
そのてっぺんにしがみついて
気がつくと真っ白な天井が目に入った。
お、ここはドラマとかでよくみるなぁ。
『ここは病院かな・・・? 』
「っ! さよさん! 」
菊さんは私の肩を抱きしめた。
少し痛い。
『ごめんなさい、ゆきちゃんは・・・? 』
「貴方のおかげで怪我はなかったようです」
『はぁ・・・よかった・・・』
ならいじめは先生にちくられておわりか。
ようやく、ゆきちゃんは傷つけられなくてもいいのかしら。
思っていたより私の傷は軽かったようで幸いあたまを縫うこともなく無事二週間で退院できるそうだ。
午後には蓮二君とゆきちゃんもきて今日教わった事や宿題をもってきてくれた。
『ちゃっかり持ってきたのね・・・宿題』
「いつもテストが満点のおまえなら余裕だろう」
『鬼畜ね・・・』
「きちく・・・ってなに?」
『いじわる〜、ってことだよ』
「へぇ〜、さよちゃん凄いね。
難しい言葉知ってるね」
『ふっ、そうかい? 照れちゃうわ〜! 』
「気持ち悪いぞ」
『どいひーだわ・・・』
「ふふ、さよはいい友達を持ちましたね」
『どこがいいんですか、ゆきちゃんは確かに天使ですけれど』
「何を言う。俺も天使だろう」
『え、堕天使でしょう? 』
「ふふふっ・・・」
楽しい話はあっという間に過ぎるもので。
すぐ面会時間となってしまった。
「また明日も来ますからね」
『お仕事に支障をきたさないでくださいね』
「病院、抜け出すなよ? 」
『蓮二君は私を何だと思っているんだい? 』
「さよちゃん、またね!」
『やっぱりゆきちゃんは天使だね! うん、またね! 』
皆と別れて少しすると携帯電話にメールが来た。
『蓮二君だ』
☆
さっきの場では言いづらかったので、ここにかかせてもらう。
お前が倒れた後のことだが、ゆきはクラスを抜け出し職員室へとかけていって先生に事情を説明したそうだ。
主犯格のかのんやお前を傷つけたクラスメイトは退学・・・とはいかず停学になった。
担任はクビになり新しい先生がやってきた。
今日見たとおり、ゆきにはけがはなかった。
お前のおかげだと、ゆきは言っていたぞ。
本当にさよが無事でよかった。
ちゃんと治して学校に来い。
そうしたら試合を見せてやる。
P.S
お前が倒れた事を知ったとき、菊さんは顔が真っ青になっていたぞ。
うろたえて、あんな菊さんははじめてみた。
さよ、言うまでもないとは思うがきちんと謝罪しろよ?
☆
退学はないよ、ふふ。だって小学校だもの。
それに何が試合を見せてやるなのさ、上からだねぇ。
蓮二君ってこんなキャラだったかしら。
菊さんにはもっと謝った方がいいな、これは。
とりあえず、蓮二君に返事を返した。
☆
メール、ありがとう。
ゆきちゃんが無事でなにより。
私はただ側にいただけで何もしていないからあまり持ち上げないでちょうだいな。
もしなにか礼がしたいならムーミンのぬいぐるみが欲しいです。
蓮二君のお金で買ってください(^^)
P.S
宿題の二乗の問題、あれ嘘でしょ?
小学生がやるものじゃないよ!
だましたのでムーミンのぬいぐるみ買ってきなさい。
☆
翌日、冗談で送ったつもりだったのに本当にムーミンのぬいぐるみを持った蓮二君がくるとは知らずそのまま眠りについた。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!