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「間違いないわ。彼女ね」

「やっぱり美佳もそう思う?」

「うん。だって話し聞いてる限りじゃ色ぼけしてるようにしか聞こえないもの」


尚子は、以前来た時よりも一回り大きくなった美佳の部屋で、久々の彼女との会話を楽しんでいた。

美佳は最近、局から格子という位に昇進し、源氏名も「美華の局」から新しいものに変えたという。

しかし、そんな事は尚子にはどうでも良い事だった。

彼女は尚子にとって無二の友であり、よき理解者の美佳に他ならないのである。



その事実には、何の変化もないのだから──。




「彼女かァ……。ちょっと寂しいかも」

「あれっ? 尚子って沖田さんの事好きだったんだー?」

「えっ」

美佳が身を乗り出してくる。

「いや、別にそんなんじゃないけど!」

「……けど、何よ」

いつもの数倍も威厳を増した美佳に迫られ、尚子は思わず尻込む。
期待に満ち満ちた美佳の目に捕らえられ、尚子は観念したかのように開口した。


「何だか、取り残されたような気分。……かも」







ふぅ、とため息をつく尚子を見て、美佳はくすりと笑いを零した。

「じゃあ、尚子は今、好きな人って居ないの?」

「…………え」

何だろう。まさか今話題がそういう方向へ飛ぶとは思わなかった。
途端、尚子の頬がみるみる紅潮する。

「え、嘘、居るの? 誰、誰!? やっぱり浪士組の人よね?」

「べ、別に……」

思わず口籠もる。が、尚子の頭の中に、とある男の影がぼんやり霞んだ事は確かだった。

「あそこの人達は、みんな人として尊敬してるし、大好きだから、そんな、」

「だからそうやって純情敬愛路線に逃げない!」

「違うってば!」

思わず叫ぶ。


 




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あきゅろす。
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