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[最遊記]八戒(夢)



『次に付き合う人は強い人って決めてるんです。
僕が尻にひかれちゃうような…』



そう言って悟浄と笑いあいました。

半分は冗談で、半分は…もう二度と大切な人をなくしたくはないという願いで…。



でも、どうしてでしょうね。

世の中、上手くは回ってくれなくて…

僕の心をとかした人は優しい心と少し儚げな印象を持つ女性で…僕が願ったような強さは持っていない人でした。


だから僕はまた失ってしまうんじゃないかと怖くて…恐くて…触れられなかった。

僕達の旅はまだ続いていて、彼女が危険にさらされる可能性は高い…

けれど、この町を離れる時に“さよなら”を言う事すら出来なくて

君を傷つけたくはない…けれど、手放す事も出来ない愚かな僕は…

また同じ過ちを犯してしまうのだろうか?





 * * * 




「あー、それ俺んのだぞ!」

「こういうのは早いもん勝ちなんだぜ。」

「うるせぇ、この馬鹿どもがっ!」

「仕方ないですねぇ…。」

「ふふ…くすくす。」


ジープを停めて休憩中、いつもの如く騒いでいたら近くから可愛らしい笑い声が聞こえた。


「ごめんなさい、あまりにもあなた達が楽しそうだったから…。」


そんな言葉と同時に樹の影から出てきた女性はとても綺麗で思わず見とれてしまいました。

華奢な身体にさらさらの長い髪と深い海を思わせる蒼の瞳。


「うわ〜、すっげぇ綺麗…。」


悟空の呟きに悟浄や三蔵も賛同する。




 * * *




♪どうして二人…離れてしまったの?
そう問い掛けてみても返ってくるのは私の頬を撫でる風だけ…♪

♪後悔だけが渦巻き、苦しむ顔を見る度に私の心は哀しみで染まる
どうか笑って…どうか幸せに…それだけが私が望み♪





その綺麗で悲しい歌声を聴いていると自然と涙が頬を伝う。

まるで花喃の気持ちを歌っているような、その詩<うた>…。


僕は天<そら>を仰いで瞳を閉じる。







花喃…君を助けられなかった僕を許してくれますか?



花喃…僕はもう一度、人を愛しても良いでしょうか?







そんな問いを天<そら>に投げ掛ける僕の頬を優しい風が撫でていった。

瞳を開ければ僕の傍には優しく微笑む名前さんの顔があって…。

気付いた時には名前さんを強く…強く抱きしめていた。

もうとっくに答えは出ていたのですね。


「……君を愛しています…。」


自然と口から出たその言葉に頷くように、名前さんは僕に身体を預けてきた。


「私も…八戒さんが好きです。
八戒さんの苦しみも哀しみも全部…。」


優しくて温かい言葉にまた僕の頬を涙が伝った。









書きたいとこまでの前後の話が繋がらなくて挫折…。
妖怪に襲われて、弱いと思っていたヒロインが戦う力はないのに八戒達を助けて「私にも守りたいものがある」「守らせて…」的な台詞を言わせるつもりでした。
文才がほしいよぅ…(泣)

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あきゅろす。
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