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REBORN!短編
現実と偽りと 6927☆※



無いものを有るものとし、真実を嘘に変える−−−それが僕

「愛しています、綱吉くん」何度この言葉を口にしただろう

「はいはい」そして、何度この言葉を返されただろう

今は誰もいない貴方の部屋で、僕は手紙を開ける


−−骸へ−−
お前の本音はどこにあるの?

胸が締め付けられた

本当のお前はどこだ??

よくある愛の言葉が綴られたような内容を想像していただけに動揺が隠しきれない。いつも偽りと真実を重ねてきた。本心を悟られる事が怖かった。だから陽気に振る舞い、口からは何のためらいもなく甘い言葉を送り続けた。そんな事で、あなたは騙されたりはしなかったのですね

骸、お前が俺に贈り続けてくれた台詞は本物??それとも偽り??

そんなの………………、答えがすぐに出てこない自分に腹が立つ

いつもファミリーを霧という何よりも頑丈なベールで包んでくれたね。でも、そんな骸の瞳には何も映っていなかった

気付かれていたのですね。上手くやっていたつもりだったのですが。どうして分かったのでしょうか

骸、お前の本心は最後まで分からなかったけれど俺は骸の事、愛してたよ。いつも恥ずかしくて素っ気ない態度しか出来なかったけど……。だから、こんな結果になった事を自分のせいにしないで欲しい。それと最後に、もう自分の心も霧で隠し続けるのはやめにしなよ


ずっと嘘と真実を織り交ぜながら生きてきた。そのうちに、自分の本当の気持ちが分からなくなってきた
だから、真っ直ぐに貴方への愛を捧げる雲雀恭弥が羨ましかった。素直に貴方の死に涙を流せる雲雀恭弥が妬ましかった

あなたの死を前にしても涙すら出てこない自分は、やっぱり貴方を愛していなかったのだろうか


僕は最後の一文に目を移す


そのままの骸で生きて下さい

そのままの僕−−−


「………綱吉くんっ………!」

もう貴方がいないという事が凄く、凄くリアルに体を駆け抜けた。本当はずっと貴方の死が受け入れられなかった事。涙が流れなかったのでなく、必死にこらえていた事。ずっと自分に嘘をついてきた事が、全部流れ出て堪らなくて手紙を抱きしめる

「本当の事を言います。僕は……僕はっ、貴方の事を心から愛しています……!」


そして、貴方の為に生きて行きます
貴方だけの為に−−−

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