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崩壊と音階
Valvudyは全ての仕事を終えた後、必ず機密である研究所に行き、白い部屋に行く。

壁と家具全て白に囲まれているのに、白い鉄の柵によってValvudyと俺の空間が断たれる。


まっしろは何時も白い鉄の柵の前に座って、上を見上げていた。
Valvudyはそれを見て喜び、屈んでまっしろと同じ目線に合わせる。


白い空間に、白い肌と白に近い銀髪と白いワンピースに身を包むまっしろ。
部屋と同一化して見当たらなくなるが、まっしろのもつ菫色の瞳で何とか位置を掴んでいた。


研究所の奴等はまっしろを"イブ"と呼ぶが、俺達はまっしろを"まっしろ"と呼んでいる。

何故か。理由は無い。ただ、まっしろはまっしろなだけだ。
まっしろが自分をまっしろと呼ぶならば、まっしろはまっしろであるだけだ。
研究所の奴はまっしろがまっしろをまっしろと呼ぶ事を嫌悪しており、まっしろをイブと呼ばせようとする。

だが、そんなのは構わない。

まっしろはまっしろであるだけだ。


だけど、なんだろうな。


まっしろに触れたくなった。
まっしろを抱きたくなった。

だが、俺の手は血塗れている。
俺の手は汚れている。


そんな手でまっしろに触れたくない。
まっしろに穢れを付けたくない。

だけど、なんだろうな。
それでも抱きたいんだよな。
抱きたくなるんだよな。


今はまっしろの頭や頬を右手の甲で撫でるだけで満足している。

だが、それが何時まで保つかは分からない。
あぁ、お前を滅茶苦茶にしたいよ。



あーあぁ。
家来が主人のものなんざ、盗る、なんざ。



あっちゃならねぇよな。
やっちゃならねぇよな。
あぁ でも

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あきゅろす。
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