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◆あなただったら(幸村)
*政宗に片思い前提




「ごめんね、ごめんね」


どうして、この人を好きにならなかったんだろう。
どうして、この人に先に会わなかったんだろう。


「謝らないでくだされ」

幸村は、優しい。


「某は、いつでも、名前殿の味方にござるよ」


それでも、私は涙を止めることなく彼に謝ることしかできなかった。



どうして


どうして、先に政宗に会ってしまったのだろう。
好きになってしまったのだろう。

苦しいって分かってたのに。
遊ばれてるんだって分かってたのに。


先に会ったのが政宗じゃなくて、幸村だったなら、こんなにも苦しくはなかっただろうに。

幸村まで悲しませることはなかったのに。


「ごめん、幸村っ……」


幸村はただそこにいた。
涙を拭うことも抱きしめることもせずに、ただ隣にいてくれた。
それが彼の精一杯の優しさだった。


あなただったら




何故、あの者なのだろう。

何故彼女を泣かせるのがあの者なのだろう。

彼女があの伊達政宗を好きになったのか、某にはわからない

この指で涙を拭ってやれればどんなにいいことか。この腕で彼女を抱きしめてやれればどんなにいいことか。

だが、某にはそれが叶わぬ。

どうやったって名前殿の心を占める政宗殿には敵わぬのだ。

貴殿ならどうする。

こんなにも想い人が苦しんでいるというのに何故貴殿は来ない。


「ごめん、幸村っ……」


謝られるたびに、触れそうになる腕を泣きたい思いで押さえていた。





一応政宗も名前が好きです。でもうまく気持ちを表現できずに傷つけてばかり。
後日、幸村さんが政宗さんをぶん殴りにいきます←
幸村は自分の欲より他人の幸せを優先しちゃうんだろうなぁと。

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