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☆神様へ(佐助)
*転生もの
※会話文のみ



「ねぇ」

「なーに、姫さん」

「私たち、どこにいるのかしら」

「廻間じゃない?どうみても戦国の世にこんな景色はないだろうし」

「ってことは死んだのね、あなた」

「姫さんこそ、ここで何やってんの?どーせまた誰か庇って死んだんだろうけど」

「前世もろくな死に方はしなかったわね」

「何だっけね、今世っていうか前世は忍びと姫様でしょー、前前世はなんだっけ」

「親子だったわ」

「そうだったそうだった。俺様と禁断の愛犯しましょってときにあっけなく逝ったもんねぇ」

「あなたのは、今世は何だったかしら」

「もう、忘れないでよー。猿飛佐助って何万回も言ったじゃん!」

「だって会う度に姿も名前も変わるんだもの。いちいち覚えてなんかないわ」

「……結ばれない関係だけは変わらないのにね」

「あとあなたの、橙の髪も変わらないわね」

「うん?。えへへ、これだけは変わらないようにお願いしてるんだ」

「どうして?だいたいが目を付けられて嫌なことばかりじゃない」

「それなら姫様の手の甲に浮かぶ赤い痣も変わらないよねぇ」

「そうね。やっぱり変えられないように願ってるわ」

「どうして?女の子が傷ついたら嫌じゃないの?」

「言わないとダメ?」

「だーめ」

「いじわる」

「どうせ理由は一緒でしょ?」

「そうね。橙の髪は珍しいから、どこにいても見つけられる。
すぐにあなただって分かる」

「姫様の赤い痣も綺麗だから、すぐに分かるよ。まぁ、俺様は見なくても分かるけどね」

「これね、あれこれ言われるんだけど、あなたに会うためなら何でもないわ」

「わー、なんか嬉しいな」

「ほんと、こんなに思い合ってるのにどうして結ばれないのかしら」

「あれじゃない?姫様はさ、神様に愛されてるから、神様は俺様に嫉妬してるんだよ」

「そんな神様くそ食らえよ」

「そんなこと言うから、ますます俺様嫌われちゃうじゃない」

「ほんとに私を愛してるなら、誰よりも幸せにしてくれるはずよ。あなたみたいに」

「俺様まだ幸せにしてあげられたことないんだけど」

「次こそしてくれると信じてるわ」

「うーん、頑張ってみるよ」

「待ってるわ―――あら?もうお迎え?」

「早いねぇ。次の姫さんはどんなかなぁ」

「分からないわ。ねぇ、早く探しに来てね。早すぎても嫌だけど」

「分かってるよ。早すぎず、遅すぎず、ちゃんとアンタを見つけ出すから」

「ふふっ、大好きよ。来世こそ、結ばれましょう―――」




あーぁ、行っちゃった。さぁて、俺様はどうしましょうかねぇ。年下にはあまりなりたくないんだけど―――っておぉ?もう俺様も?うわぁ、こりゃ双子の姉弟とかじゃないよなぁ。

ねぇねぇ神様、俺様そんなに大層なことは望まないよ。ただ姫さんと結ばれたいだけなんだ。
兄弟でも親子でも主従でもなくて、男女で結ばれたいの。
ぜーったい絶対、幸せにする自信あるからさ。だから次生まれるときは、姫さんの三軒隣の家の子に生まれたいなぁ。年は二歳から五歳までは離れていいよ。
きっと幸せにして、アンタに極上の笑顔を見せてあげるからさ、だからさ、神様。


アンタの大事な姫様
俺にちょーだい。




(その願いが、叶えられたかは分からない)
(結ばれるため、僕らは何度も)
(姿を、名を、時代を変えて)
(生まれ変わる)

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