◆おあずけ(元親)
「元親くん、これはどういうことかね」
ちょっと色々あって、今、元親に押し倒されている状態になっている。別に、一応恋仲だから体勢に問題はないのだが、むしろこの男が盛り始めたのが問題だ。
「なぁ」
「ヤに決まってるでしょ」
「いやでもこれで引き下がれると」
「元親ならできるさ信じてる」
「そこで信じられても微妙なんだがよ」
「いいから退け」
「そんな顔でこっちみるな」
「じゃぁ」
「いや、顔隠したらなおさらやべぇ」
「……」
「だからって俺の目塞がれても、反抗されたら屈伏させたくなるってのが男だ」
「どうしろっていうのよ」
「大人しく食われろ」
「まだダメ」
「まだ、か」
「ごめんね。でも、これは元親のためなんだよ。」
「俺のため？」
「元親は優しいから、私が流されたらきっと後悔する。なんも悪くないのに、自分のせいだって、全部背負うとするから」
「そりゃぁ…」
「私、元親に後悔してほしくない。だからどんなに迫られても、私がしっかり受け止められるまで、元親に流されないって決めたの」
「俺の意見は全部無視かよ」
「でも待ってくれるんでしょ」
「……しょうがねぇな」
「ありがとう、ごめんね。大好きだよ」
そう言うと、元親はくしゃりと笑って、そっと唇にキスを落とした。
「これだけで我慢してやるよ」
「かっこいいぞ元親ぁー」
「ちゃんと俺を守ってくれよ」
「もちろん」
おあずけ
(でもよぉ、この俺の後始末はどうすれば)(トイレ行け)(せめてお前が)(オカズならあげる。妄想ならいくらでも犯していいから)(………複雑だ)
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