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5-3

「送ってくれて有難うね!」
「助かったよ」

各々お礼を言い別れを告げる。


ここはザハン市、今回のハンター試験会場があるところだ。キリコから目の前の定食屋で言う合言葉を教わっているところだが、シャンは心非ずという感じで、目を丸くしながら周りをキョロキョロとしていた。こんな大きなトコロあるんだなぁ、と建ち並ぶビルを眺めながら感嘆の声が出る。

そして、その中の定食屋という存在。先ほどから良い匂いが漂って来ている。飲食店など存在していないイルカ島出身のシャンの胸は、期待でいっぱいだった。


「シャン。行くよー」


定食屋へ向かおうとしていたが、動かないシャンに声を掛けるゴン。シャンはハッとしたように振り向くと笑顔で定食屋へ駆けて行く。



定食屋に4人が入ると丁度お昼時なのか、カウンターもテーブル席も賑わっている。ここの人達みんなハンター試験参加者かな?と小声でゴンに問うてみたシャンだったが、ゴンは曖昧な顔をした。シャンも顔を一瞬しかめたが、ちらりと定食屋のメニューを見ると目を輝かせた。
聞いたことの無い名前だけども美味しそうなメニューが並んでいる。先ほどからの良い匂いもあり、シャンのお腹は鳴ってもおかしくない状況だった。そんな中、レオリオが先陣をきってカウンター奥にいる店主に話かける。

「ご注文は?」
シャンはゴクリと唾を飲む。

「ステーキ定食」

「……!!」

レオリオがきっぱり答えたのを見て、驚愕するシャン。しかし、試験の存在を思い出す。
そっか今は試験で来たんだ。レオリオが勝手に決めてしまったと、ガッカリしたシャンだったが、本来の意味を思い出す。しかし、本当に他のも気になる。

「弱火でじっくり」

焼き具合を問われ、またきっぱり答えると奥の小部屋に案内される。そこではすでに肉が焼かれていた。部屋に良い匂いが漂っている。

「うわぁ〜美味しそうー!さっきから涎がこぼれそうで我慢してたんだよね」

口を手の甲で拭きながら、嬉しそうに声を上げるシャン。ジュルリという効果音が聞こえてきそうなほど、目も爛々と光っている。そんなシャンの姿を見て苦笑しながらそれぞれ着席する。




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あきゅろす。
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