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3-1 幻影旅団にご対面
黒髪の男の一言で、ビルの中へと引っ張られていくシャン。
中に連れて行ってってもらえるなんか、願ったり叶ったりやんと、シャンは嬉しそうな顔をする。


「何喜んでるね。お前はこれから拷問部屋行きよ」

「え?!そうなんですか?」


女の念に引っ張られながら、シャンはビルの中へと足を入れる。
先頭に黒髪の男、シャンの前に女、そして後ろに金髪の男。一列になり階段を下りていく。

「お前みたいな頑丈なヤツ初めて会たね。拷問のし甲斐があるよ」
「あら〜。そんなの困りますよ〜」

クックックと笑う黒髪の男にも、シャンはのんびり答える。頭のネジ緩いのか、それとも問題ないと思えるほど強いのか、そんなことを考えてしまうほど暢気なシャンに3人は呆れる。

女がシャンを振り返った。
「あんた、ホントに何されるかわかってんのかい?」
「え、拷問されるみたいですね。困りますけど。」
「困るってそんなサラリとした問題かい?もっと怯えるとか、泣くとか普通の商人だったらしてるだろ。」
女は呆れ顔で、さらに溜め息まで付く。

何か弁解しようと声を出そうとしたとき、扉が開き、大きな部屋に出た。見知らぬ奴が入ってきたということで、扉の方へ視線が集まる。
部屋の中にいた眉の無い男が一番に尋ねてきた。


「なんだぁ〜?誰だよそれ」

「アジトの前にいた怪しいヤツね」
「はぁ?そんなヤツ連れて来てどうすんだよ」

さらりと答える黒髪の男に、眉のない男は声を荒げる。
「シャルとワタシで攻撃しても気絶しなかたね。これから拷問部屋よ」
その言葉に部屋にいた全員が驚く。そんな様子を見て、そんなに強い人達なのかなぁとシャンが考えていると、後ろから声がかかった。


「ほう、それはすごいな」


バッと後ろを向く4人。人物を見て、金髪の男が溜め息をついた。
「はぁ〜脅かさないでよ、団長。」
「団長の絶はホントに心臓に悪いよ。」
続いて苦笑しながら女も言う。

「また団長の絶、分からなかたね」
小さく溜め息を付きながら悔しそうに黒髪の男も言う。

「ははっ、まあそう言うな」

後ろから来た人物は笑う。そして、話の人物を見て驚く。シャンは口をパクパクしながら目を丸くしていたが、ついに大音量で叫んだ。


「ぎゃああぁぁあ!!!幻影旅団やんんーーーーー!!!」


次の瞬間、今まで自分を束縛していた念を外し、全員を飛び越え扉から出て行こうとする。
その間は一瞬だったが、後ろから来た人物…幻影旅団団長クロロ=ルシルフルによって足を掴まれた。

「げっ、ちょっとやめんかい!あたしは別に蜘蛛相手に仕事する気ぃなんてないねん!」
「まあ、そう言うな。そういえば、仕事は何をしているんだ?」
いややぁあーー!と叫んでいるシャンにクロロは笑顔で話す。

「え?昨日話さんかったっけ?って、違うって!ええから足離せやっ」

とぉっ!と反対の足をクロロの頭の上に落とそうとする。それをヒョイと交わすクロロ。しかしながら、掴んでいる足は離さない。
変わった言葉でギャーギャーと賑やかなシャンと、楽しそうなクロロに旅団員たちは不思議そうな顔をするのだった。

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