透明光速
十月05
「どう言う意味だと思う?」
加瀬の言葉は、緊張しているみたいに恐々としていた。
「どう言う意味に受け取って欲しかったんだよ」
加瀬のずるい切り替えしに、更にずるく返してみる。
加瀬はと言えば、ずるいなぁ、何て笑いながら、そっと腕をゆるめた。
「だってアッキー、ずっと気づかないんだもん」
多分俺の方が先に好きだったのに。
料理教えたいのだって、特別なニックネームで呼びたいのだってアッキーだけなんだから。
俺が風邪を引いた時みたいに言う加瀬は、少しだけ悲しそうな表情をしていた。
「でもこの前、冗談でしょって」
言ったじゃないか、そう尋ねる俺に、加瀬はやっぱり、と鼻を掻く。
「アッキーに好いて貰えるなんて思っても見なかったから。リョータと付き合ってるとか言い出してたし」
あれ結構傷ついたんだからね、そう言う加瀬の目は、安堵にかわっていた。思わず、俺の口から言葉が漏れる。
ごめんな、そう言った筈の俺の口は、加瀬のそれで塞がれていた。それも、ゆっくりとしたキスだ。
「っふ、ぅっ……」
かせ、かせ。舌足らずになりながらそう呼ぶと、加瀬は嬉しそうに笑ってくれた。
それだけで、もう俺は幸せ以外の何者でもなかった。
「アッキー、大好きだよ。これからもずっと一緒に居て下さい」
もれなく美味しいご飯がついてきます。
そう言う加瀬の手を取って、俺はきゅ、と握りしめる。
「ありがとう、加瀬。俺もお前が、大好きです」
もれなく保健的な知識がついてきます。俺も加瀬を見習ってそう言うと、加瀬はえへ、と笑ってみせた。
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