ぱちlog
百四



ほとり、ほとり、と
二人並んで道を歩く。
夕暮れなんてとっくに過ぎた、紫苑の支配する空の下。

会話なんて、もう校門を出るときから全くなくて。
目を合わす事もなくて。
それでも、そうしてるのは

それでも二人が繋がっているから。


それから、眼鏡を掛けた彼が、とても恥ずかしがり屋だから。



あと、一時間もしないうちに訪れるであろう自体を悟って、真っ赤になって俯いている。


もう一方の彼のまた、それを見ると自分の理性に良くない事をよく分かっているから、決して視線を向けないのだ。
すくなくとも、家に着くまでは。



結局、家に着いてしまえば、そんな、恥ずかしさとか、理性なんかは何処かへ行ってしまうというのに、それでも二人は、今この時だけは、それをしっかりと持って離さない。


しっかりと持てば持つほど、逆に相手に焦がれるのに。


そんな事は知りもしないまま、真夏の夜は二人を焦がす。





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あきゅろす。
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