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未来永劫あんたを


ずっと一緒にいた幼馴染がイタリアに行くそうだ。彼は幼馴染であると同時に私の恋人。地元が大好きで掴み所がなくて…それでも彼なりの優しさもあったし、本当の意味でも強いと思う。


「ごめん」


そんな辛そうな表情で言わないで。永遠の別れじゃないんだから、きっとまた会えるんだから、会いに来てよ。だから私は頑張れって背中を押さなきゃ。恭弥が何かをやっているのは知ってる。イタリアに行くのも何かのためともわかってる。だから、ほら、背中を押して、頑張れって
ぐっと堪えてあと何秒?

「離れたくない」
「僕も」
「大好きだから」
「僕も」
「これでお別れなんて嫌だから」
「僕も」
「だから…会いに来てよ…っ」
「……うん」


ぽろぽろ

ぽろぽろ


音なく零れてく。
泣いちゃだめって
迷惑だって
わかっていても、あとからあとから溢れてきて
苦しくて


「私さ」
「うん」
「生まれたときから恭弥と一緒だった気がする」
「まぁ、幼稚園からね」
「高校卒業までずっと一緒って凄いよね」
「そうだね」
「慣れすぎちゃった」
「何に?」
「恭弥のいる、当たり前の生活」
「…僕もだよ」
「これから、頑張ってね」
「君こそ」
「あははっうん、頑張るね」
「…………」
「卒業まであっという間だったなぁ。…明日でしょ?卒業式の次の日に出発っていうのも大変だよね」
「まぁね」


明日目が覚めたら彼はいないだろう。


星の数ほど過ごしてきた日々のなかにはいつも恭弥がいた気がする


「ばいばい」
「うん…またね」


またね、
彼の低い声が私の耳を震わす

こんなに苦しい思いをするなら

最初から君を好きにならなきゃよかった
…なんて嘘だけど



最後にみた彼の顔は優しいものだったからいいの



(ずっとずっと)



(愛してる!)



end


‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐

企画『あぷろす』さまに提出させていただきました。
すごく楽しかったですv
また参加出来たらしたいです…反省点だらけですが、楽しんでいただけたら幸せです

幼馴染は私の中で永遠の青春の代名詞的ななにか



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