一足お先に
爽やかな秋晴れが続く今日この頃。
現在聖凪においてもっぱら生徒の関心を集めているのは、満を辞して今年も来る聖凪学芸祭〜キャッチコピー集計中〜なのです。
「おはよ、影沼。昨日のホームルーム、配役決めしたんだって？」
「あ…、うん」
「惜しいなー見たかった！風邪ひいてる場合じゃなかったなぁ」
「苗字さん…は、貴族、だよ」
シンデレラは舞踏会でガラスの靴を置いて逃げるし、
王子は名前も知らない一晩のダンスの相手を国中探し回る。
魔法使いはドレスのセンスを問われるだろう。なんせ着飾った大勢の女性の中で、ただ一人シンデレラだけを王子の目に留めなければならない。
そして貴族は、
「影沼は？」
「……貴族」
名前はよし、と笑った。
「わたしと踊ってくれる？」
貴族は、踊らなければ。
王子に選ばれない女性も社交目的の男性も、そこは舞踏会だから。
影沼は少し頬を赤くして頷いた。
ダンスの練習しないとね。
一足お先に
鐘とともに大広間を飛び出す主役二人を後目に、ハッピーエンド頂き！
「ちなみに主役陣は？」
「…シンデレラが久澄、王子が柊さん、王様が…柊先生」
名前は遠慮なく爆笑した。
Ｃ組的シンデレラ、ちゃんとハッピーエンドで終われるのか心配だ。
（500字）
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文字数ギリギリ！
役決めはくじ引きだったということでひとつ
野狸ぽん様に捧げます。
祭りへのご参加ありがとうございました！^^*
9/18 少し変更
〇
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