091027 11月にくちづけ
そのまま再度出かけるという愛花からコンビニのビニール袋を玄関で受け取って、名前はリビングのソファに飛び乗った。スプリングが軋み、隣で本を読む賢二郎さんも揺れる。
袋を覗くと、頼んでいないものまで入っていて思わず頬を緩めた。愛花優しいありがとう!
「メルティーキスだ!そっか、もうそんな時期かぁ」
「? なんだ、チョコに時期があるのか?」
「これ毎年冬季限定なんですよ。賢二郎さんも食べますか?」
パリパリッと箱を開けて一つ取り出す。
賢二郎さん本読んでるし本汚しちゃいけないなと個装を破ってそっとチョコを摘まみ、差し出しかけてハタと気付いた。
このままいくと。あーん、て?まさかそんな。
賢二郎さんも戸惑った。
「えっと、賢二郎さん、」
「あ、ああ…」
お互いに気恥ずかしい空気の中で、賢二郎さんは覚悟を決めたように唇を開いた。やるしかない。いけ!と心の中で勢いづけながらその唇にチョコを押しあてた。
「お、おいしいですか」
「ああ」
賢二郎さんは溶けやすいな、と呟いて、舌で唇を拭った。
指に残る、掠めた唇の感触と溶けたチョコレート。
11月にくちづけ
指のチョコ舐めたら間接キスになっちゃうなあ。
(483字)
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こっちも甘く!と思ったら普通に甘いもの引き合いに出してしまいました^^単純!
5万打を踏んで下さった潤さまに捧げます!ありがとうございました^^*
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