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おお振りText
4月1日。そのに
「あと、まだ来てないのって誰?」
「あー…榛名と、相馬…あとかわっちとかじゃねぇ?」
「じゃあ、次のターゲットは榛名ねー♪」
「…えっ!?」




…いやいや、それはマズイんじゃねぇか?

涼音がニコニコと笑っている。
あの笑顔はマズイ。
本気でやりかねない。


いくら想いを告げるとかする前に失恋したとはいえ、あの夏までの数ヶ月間あいつ涼音に片思いしてたんだぞ。
いくら嘘だからって、そんな奴に告白されて嘘でしたー…ってあんまりだろ!?


「す、涼音っ!あいつはやめとけって!」
「何でー?」
「何でって……」


言える訳ねーだろー!
あいつ、昔お前に片思いしてたとか!


「…あー…と…」

なんて言えばいいか分からずにアタフタしてる俺を見て、涼音はくすくすと可笑しそうに笑った。


「心配しなくても、榛名に加具山くんと同じ嘘はつかないよ?」
「へ?…あ、」
「私だってちゃんと人に合わせた嘘はつくんだからー」
「そっか…」

…なら、まぁ、いいか。

「そんなあからさまに安心しないでよー」
「べ、別にそんなんじゃ…」
「本当に加具山くんは榛名大好きだよねー」
「…は!?」
「あ、榛名ー!」

ちょっと、今聞き捨てならない言葉が出た気が…

「チース!」

したものの、聞き返す前にようやく登場した榛名の方に走って行ってしまう。



「ねぇ、榛名」
「何スか?宮下先輩」
「あのね…」


あ、なんか嫌な予感が…;;



「今日の練習試合でホームラン打ったら、加具山くんがキスしてくれるって!」
「マジすか!?」
「うん!だから頑張って」
「っしゃー!!」



笑顔の涼音の隣でガッツポーズをとる榛名を見て、頭が痛くなった。




「なぁ、秋丸」
「…何でしょう」
「あの馬鹿に今日の日付を教えてきてくれよ」
「…すみません。俺はまだ命が惜しいです」


「加具山さん!俺ゼッテー打ちますから!」



その宣言通り高らかにホームランを打ち上げ逆転勝ちしたチーム内で、榛名に真実を伝えられる奴は一人もいなかった。




(加具山さん、今日一緒に帰りましょ!)
(…あ、あぁ;;)

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