僕と欠片と涙の探しモノ
其の子の名前.5
『綱吉、獄寺、山本?どうした?顔色…良くないぜ?』
「え、あ、あぁ…」
「んな事ねぇよ…」
「何でもないのな」
何でもない訳ねぇだろ…
さっきから目線が游(およ)いでるっつうの。つかさ…
『まさか、さっき話した子の事知ってんじゃねぇの?』
「え、あ、えっと…」
「知らねぇよ…。」
「どうだろうな」
コイツ等…絶対知ってんな。嘘付いてんのバレバレだっつうの…
『なぁ、綱吉』
「何、かな?」
『俺の目を見ろ』
「えっ?こ、こう?」
『嗚呼』
綱吉は俺の目を何の疑いもせず見る。獄寺と山本にも後で同じ事をするつもりだ、だから先(ま)ずはボスである綱吉からってな。
『「……」』
何か見える…。
餓鬼が二人、綺麗な女の人、この人は…綱吉の母親、綱吉にリボーン?…楽しそうだな。
それに大変そうだ…。
片方はモジャモジャ頭、片方は…朝会った小さな女の子。コイツの名前を知りたいのに綱吉達は俺に嘘を付こうとした…?何故?理由は?
『そう言う事か…』
「何…?今の感じ?」
「「十代目/ツナ?」」
『さぁ、次は獄寺だ。俺の目を見ろ』
「あぁ?こうかよ…」
『嗚呼』
獄寺と山本とさっきの綱吉と同じ事をした。すると、獄寺からも山本からも同じ様な人物が見えた。
どうやら獄寺と山本は良く綱吉の自宅に遊びに行くらしく、餓鬼達と迚(とても)仲が良いらしい。特に山本は餓鬼達に人気みたいだ。
『さぁ、話してもらうぜ?さっき話した子の事』
「「「「うん/あぁ/いいぜ」」」
そして綱吉達は話し出した。先程迄あれ程躊躇していたにも関わらず、不思議と話してくれた。
何故急に話してくれたのかは、俺にも分からないが、漸(ようや)く聞きたかった事が聞けた。
『へぇ〜其の子"イーピン"って言うのか…』
「うん、そうなんだ…」
「彼奴何やってんっすかね」
「こう言う事、前にもなかったか?」
「あぁ、そう言えば…」とか綱吉が言っている中、俺はイーピンの事を考えていた。話しによるとイーピンは超が付く程ド近眼らしく、前にも似た様な事があったらしい…。
ド近眼のせいで俺は命を狙われたのかよ!?
なんか…複雑だな…。
「本当にごめんね、慶君…」
『気にすんなって。別に怒ってねぇからさ』
「良かった^^; あ、良かったら今度俺の家に来ない?」
『えっ…いいの?』
「勿論だよ^^」
『そうだな…是非行かせてもらうな』
「うん」
綱吉の家か…楽しみだな♪俺が人の家に行くのなんて初めてな気がする。
けど、何処か不思議な感じだ…。
『友達…か((ボソッ』
「慶君?」
『あ、何だ?』
「何ボケーっとしてんだよ」
『あぁ…悪い』
「考え事か?」
『まぁ、な…』
「あんまり考え過ぎちゃダメだよ?」
『そうだな、考え過ぎも良くねぇな』
[←][→]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!