僕と欠片と涙の探しモノ
小さな彼奴.6
―河原から少し離れた所―
「骸様…あの人…」
「骸さん居たびょん!」
「骸様、あれが…」
「クフフ、どうやらあの方が噂に聞く藍川 秋…。いえ、今は内藤 慶と名乗っているみたいですね」
河原から少し離れた場所から慶を見つめる【黒曜高校】の制服に身を包んだ謎の三人の男の子と一人の女の子。何故此処(並盛)に居るのかは分からないが、目的は恐らく慶だろう。
「…あの人…男の子?」
「聞いてたのと違うびょん」
「……女だったって聞いた。」
「クフフフ…あの方はクロームと同じ“女性”ですよ。ですが、今は何か事情があるみたいですね」
独特な笑い、独特な髪型、左右の目がオッドアイの少年はクフフ、と笑うと大量の霧を発生させ、二人の少年と一人の少女を包み込み其の場から消えた。
まるで――“君は何(いず)れ僕に会いに来ますよ”と云わんばかりに…。
《クフフ…近い内に必ず君に会うでしょう…。其の時を楽しみにして居ますよ、内藤 慶》
『クチュンッ、嚔(クシャミ)か…俺、風邪引いたか?それに…』
「「「??」」」
さっきからずっと感じていた俺を見てた視線と気配が突然消えた…。何だったんだ、一体。
この時の俺は、まさか自分が攫われるとは思っておらず、寧ろ知るのはもっと先の話だった…。
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