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キセキの秋桜



此処は何処……私は如何なったの?
そうだ、雲雀さんに落とされたんだ……躊躇いも無く階段から。

アハハ、笑える。
幸せだった筈なのに、何でこんな事になったんだろう。

私は無実なのに誰も信じてくれなくて、何を言っても冷たく返されて、訴えれば訴える程私は悪者にされて……

皆、私が嫌いなんだね。
……私が悪者なんでしょ?





「ん?」

「目覚めたか?」

「……。(誰だっけ? この人)」

「目覚めたみてぇだな。おい、姫さんお目覚めみてぇだぜ」

「本当に!?」

「本当ですか!?」

「嘘なんて吐いて如何すんだよ」




(この人も、私が悪者だって思ってる)




「空!」

「空ちゃん!」

「……お兄ちゃん? 京子ちゃん?」




気付けば空は保健室に居た。あの後、教師が倒れている空に気付き急いで保健室に運んだのだ。




「此処、保健室?」

「そうだよ。空倒れてたって……」

「先生が運んでくれたって」

「そっか……
(じゃあ、さっきのはシャマル先生か)」

「「如何したの?」」

「何でもないよ」




綱吉と京子は少し様子の可笑しい友人(妹)に不思議に思った二人は、小首を傾げる。当の本人も何も無いといいつつ、兄と友人の顔を見ようとしなかった。

それもそうだ。この時既に空の心は変わりつつあるからだ。




「お前如何するんだ? このまま授業出んのか?」

「どっちでもいい。先生的には帰って安静にしてた方がいいんでしょ?」

「まぁな」

「そっか……でも授業は出る」

「そうか、あんま無理すんなよ、空ちゃん」




珍しく(女の子に対しては何時も)優しいシャマルが空の頭を撫で様とした時だった。




パシン




「気安く触るな」

「おっと……怖ぇ」

「「空/ちゃん!?」」




素早くシャマルの手を素早く払いのけ、冷たく射る様な目と今までに聞いた事の無い様な、ドスの効いた声で喋った。綱吉も京子も今までに見た事も聞いた事の無い友人(妹)の姿に驚きを隠せなかった。




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