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キセキの秋桜
66


─昼休み─




「(モグモグ)」

「「「「(モグモグ)」」」」




昼休みになり、何時ものメンバーで昼食を摂っていた。然し物凄く静かだった。

理由はただ一つ。さっきの事があるから話すに話せない。

恐怖心と言うのが、一番大きいのだが。空は変わらず所々傷だらけだった。




(何でだろう、凄く眠い)




「(フルフル)」

「空ちゃん?」

「……大丈夫? 眠いの?」

「空ちゃんもしかして、寝不足?」

「えっ!? だ、大丈夫!?」




眠りそうになっては軽く首を振り、眠りそうになっては軽く首を振りをさっきから繰り返して、我慢していた。眠気と一人戦っていた。

綱吉達に声を掛けられても返事を返すどころか、お弁当箱の入った袋を今にも落としてしまいそうだった。こんな空を今迄見た事はなく、全員倒れない様に(主に綱吉と炎真)それぞれのお弁当箱を置き、構えている。

傍から見れば、かなり怪しい事極まりない。

そして遠目から、七人の意思が優しい眼差しで空達を見ていた。




(ダメだ、落ちる)




「……。」

「わっ!?」

「炎真大丈夫!?」

「……大丈夫?」

「古里君大丈夫?」




とうとう堪えきれなくなった空は、偶々自分の左隣に座っていた炎真に全体重を預ける形で凭れ掛かった。炎真もまさか、突然自分の方に凭れ掛かって来るとは思ってもみなかった為、少々反応が遅れてしまったものの、ちゃんと空を抱き留めた。

其れと同時に、空になったお弁当箱の入った袋が地面に落ちる音がした。




「……。」

「……寝てる……」

「疲れてたのかな?」

「空……」

「(あれ? 空ちゃん風邪でも引いてるのかな?)」




薄く、淡く、光る空の寝顔は年相応だった。ほんの少し幸せそうに見えた。





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あきゅろす。
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