キセキの秋桜
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一方、各ボンゴレリングの意識達はと言うと……
「思っている以上に酷いぜ、ジョット」
「そうか……]世(デーチモ)の双子の妹……確かソラだったか?」
「興味ないな」
「ハハッ、アラウディ、本当は心配何でござろう?」
「雨月、君……何言ってるの? そんな訳ないだろう」
微笑ましく会話している様に見えるが、皆内心非常に穏やかではなかった。自分達の子孫(主にジョット辺りが)に何してくれてんだ! と密かに思っていたりする。
そして一応自分達の子孫なのに、何て情けない事をしているのだろう、と呆れ返っていた。人一人陥れる為に、認めた訳ではないと言うのに……と。
「俺は究極、情けないと思うぞ!」
「俺様には関係無いものね」
「ヌフフ……本当に情けないですね」
そうは言っているが、自分達はあくまでボンゴレリングの「意志」でしかない。さて、如何するか……そこから、考え出さなければならない。
だが此処には、「ボンゴレ創設者ボンゴレT世(プリーモ)」と呼ばれている男が居るのだが……
((((((大丈夫か?))))))
(如何するか)
考えている事は違えど、明らかに大丈夫か、コイツと言う目で大空属性のボスを見る守護者達と、守護者達に心配そうな目で見られている事を知らないボス。本当に大丈夫なのだろうか。
「で、どうすんだよ。ジョット」
「今は様子見、としか言えないな」
「ジョットにしては、珍しいね」
「オレ達は今は見守る事しか出来ないがな」
「「今は?」」
「どう言う事?」
ジョットにしては珍しい事だった。昔は良く即行動! だったジョットが長い年月をかけて、いい意味で丸くなったからなのか、ただ単に面倒だからなのか、自分達の目の前に居るボンゴレ創設者の瞳は、どう見ても本気と訴えかけていた。
その瞳を見て、守護者達もまたやはり我らがボスには適わないと思った。
「やっぱ、お前には一生世話焼かれそうだわ」
「Gには沢山迷惑掛けたな」
「もう少し自重してくりゃ、俺も困らねぇのにな」
「フッ、すまないな」
「幼馴染だしな、今更だろ」
Gとジョットは互いに笑い合う。勿論他の守護者も同じように笑う。
「ジョットは何時もそうでしょ」
「今更だものね」
「究極、感謝している!」
「私もジョットと出会えてよかったでござる」
「ヌフフ……」
「お前達」
ジョットは嬉しそうに微笑んでいた。自分はいい仲間を持ったと。
「暫くは、様子見だな」
「ああ……」
そう言って彼らは、暫く大切な子孫を見守る事に決めたのだった。
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