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キセキの秋桜
47


「此処にソラ殿が?」

「ああ」




並盛中の校門前に立つ一人の青年と一人の少年。明らかに目立つ容姿の二人が何故此処に居るのか。それは、ある人物に呼ばれたからだ。




「リボーンも相変わらずな奴だが、ソラの様子も気になるしな」

「はい。拙者もソラ殿に会うのは、久しぶりです」




金髪で優しそうな表情の青年・ディーノと、同じく優しそうな表情の少年・バジルは、並中の中へと入って行った。その途中並盛町の秩序であり、並中の風紀委員長でありどちらかと言えば、傍観者で今のところは空の敵でもある雲雀に見付かったのはいうまでもなかった。




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「はぁ」

「「「「(空(ちゃん)、機嫌悪そう)」」」」

「(さっさと……終わないかな。早く帰りたい)」

「「「「(触らぬ空(ちゃん)に祟りなし)」」」」




空は自分に沢山のお客様が来ているとは知らず、少しの休み時間になるや否や不機嫌オーラを出しながら、窓の外を見る。これが一人の少女の日常だった。

だがこの日だけは、日常が崩れた。




ピンポンパンポーン




《2-A 沢田 空。今すぐ応接室まで来るように》




ブツン




「……。」

「おい、呼び出しされてるぞ」

「今すぐ行けよ」

「行きなさいよ」

「……何で行かないといけないわけ?」

「「「!」」」




機嫌の悪い空に話し掛けたのは、普段から傍観者を貫き通して来たクラスメイト達だった。だが、そのクラスメイト達の忠告という名の見送りの言葉すらも、空の耳には入らなかった。

窓の外に視線を戻すとそこから動く素振りは見せなかった。だが、クラスのドアが開いた。


苛ついている不機嫌オーラ満開の風紀委員長様が。




「呼び出しされてるのに、何で直ぐに来ないの」

「……行く必要なんてないでしょ」

「いいから来なよ」

「……。」




一触即発とは正にこの事で、二人から黒いオーラが出ていて、下手に刺激など出来る筈もなく……見ているだけだった。だが、一切動く気配を見せなかった空が盛大に溜め息を吐きながら、徐ろにに立ち上がり教室を出て行った。

風紀委員長様である雲雀をその場に残して。




「(やっぱり、あの子気に食わない)」




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コンコン

ガチャ




「来たか。入れ
(委員長が居ない。まさか……置いて来たのか!?)」

「で、何?」

「君に客だよ」

「!? (何時の間に)」

「それだけの為に呼び出したわけ?」




客に会わせる為だけに呼び出しされた事に苛立ちを覚えたらしく、不機嫌度はMAXに近かった。現に、草壁や雲雀を冷たい瞳で鋭く睨み付けていた。

雲雀も負けじと(張り合う事もないが)切れ長の瞳で空を睨み付ける。然し、空には全く効果がなかった。

険悪な雰囲気の中、優しい声が空の耳に入った。




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あきゅろす。
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