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キセキの秋桜
45


キセキ達が相談と言う名の決意をした翌日。小さな影と、二人の人間の影があった。




「何で僕が」

「俺だって、何でこんな所に……」

「フンッ」

「まぁ、いいではありませんか」

「リボーンに呼ばれたが何でアイツ居ないんだ、コラ」

「おじさまに会えるのは、嬉しいです。それにおじさまの仰る空さんにも会ってみたいですし」




各々が言葉を発したアルコバレーノ達。上から、マーモン、スカル、ヴェルデ、風、コロネロ、ユニの七人だ。

勿論、別の場所にもう二人客人が来ていた。





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──────





「……。」

「うわぁ……また来てるぜ」

「アイツ、本当なんなんだよ」

「懲りてないのかな?」

「マジ、うぜぇ」




こんな生活もすっかり慣れてしまった空は、下駄箱を見ても何の反応も見せなくなった。それを見ていたクラスメイト達も面白くなさそうな顔をしていた。

そこに冴島 愛が何食わぬ顔で空に近付いた。




「空ちゃんおはよー」

「……。」

「ふふっ、今日もイジメられてるんだねぇ。超滑稽」

「可哀想な奴」

「はぁ!?」

「人を傷付けるだけがアンタの楽しみとか、それこそ滑稽なんだよ。どブス」

「なっ!!」




愛に絡まれた事が相当嫌だったらしく、空は無表情ながら目付きはかなり鋭くなっていた。それが意味するのは、機嫌を損(そこ)なった証拠だ。

愛に対して滅茶苦茶言葉が悪いだけではなく、視線までもが冷たいものだった。空の言葉を訊いて一気に表情が変わり、空の制服の胸ぐらを力いっぱい掴み、下駄箱に思いっきりぶつけた。




ガンッ




「っ」

「誰がどブスですって?」

「……アンタ」

「──っ!!!」




ガンッ、ガンッ、ガンッ




「っ」

「私はどブスじゃないわ! アンタの方がどう考えたってどブスじゃない!」

「……フッ」

「な、何が可笑しいの!?」

「自分の顔鏡でちゃんと見た事あんの? それとも何。アンタ、気持ちの悪いナルシストなわけ?」

「な、なんですって!?」




愛と空が軽く言い争いをしながら、掴み合い(愛が一方的に)をしているのを見ている野次馬達の中に、綱吉や炎真やその他にもいて、表立っては居ないが心配する者や、愛の味方の者まで、見られている事等気にしていないのか、愛も空も尚も言い争いを続けていた。




「イジメられてるくせに、偉そうになんなのよ!!」

「偉そう? どっちが」

「〜〜っ!!!!」

「怒るともっとブサイクなんですけど……ハハッ、笑える。後さっさと離れて。臭い」

「〜〜っ!! もっと痛い目にあわないと分からないみたいね!!!」

「やれるもんならやってみろよ。みーんな見てる中で、アンタの本性だしてみな」

「!」




言い争い(軽く一方的に)をしていた二人だったが、空の一言で愛は何も言わなくなった。それは、今自分が見られていると言う事に初めて気が付いたからだ。

空は無表情ながら、目の前の愛に心の中でほくそ笑んでいた。




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あきゅろす。
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