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キセキの秋桜
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「はぁ」

「……大丈夫?」

「空?」

「空ちゃん?」

「如何したの?」




昼休み誰も来なさそうな場所で、空、綱吉、炎真、京子、クロームの五人で昼食を摂っていた。静かなこの場所で、急に空が溜め息を吐いた。

理由は本人がよく分かっている。今のこの状況が気に入らないことも、嫌程味わって来た自分の立場も、死ぬ程嫌いな人間も含めた溜め息だ。

勿論、無表情な為に、綱吉達が心情が読めないのも、また事実。綱吉達も目の前に居る少女に、何も出来ない事に悩ませている事など空には、関係の無い事であり、どうでもいい事だと思っている。




「空ちゃん、今日クロームちゃんとハルちゃんと一緒にナミモリーヌに行くんだけど、一緒に如何かな?」

「……一緒に、行こ?」

「行かない」

「行って来たら?」

「……。」

「息抜きだと思えばいいんじゃないかな?」

「……。」

「アーデルハイト達には、僕から言っておくから」

「……。」




ちらりと京子とクロームを一瞥した空は、小さく溜め息を吐いた。それを了解と取ったのか、京子とクロームは嬉しそうに笑った。

その様子を静かに見守っていた綱吉と炎真も、安心した様な表情だった。




「良かった」

「……うん」

「……。」




空には心底どうでもいいといった表情で四人を見ながら、アーデルハイトに作ってもらったお弁当を一人黙々と食べている。綱吉達も楽しそうに話しながらお弁当を食べ進めていた。




「(ハルちゃんもきっと疑ってるんだろうな)」




一人先に食べ終わり、ぼんやりと空を見つめながら考えていた。




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