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キセキの秋桜
39


「おはよー」

「はよ」

「……。」




あれから炎真達とは別々に学校に来た空は、何時も通りの教室、何時も通りの朝、何時も通りの風景に、心中ではバカにしたように笑っていた。そんな空の心中を知らないクラスメイト達は、各々に影口を言っている。




「また来てる」

「いい加減にしてよね」

「反省してんのかよ」

「マジウゼェ」




影口を言われても、表情一つ変えない空は、ゆっくりとした動作で、影口を言っていたクラスメイト達に、一睨みする。




「「「「……。」」」」




睨まれたクラスメイト達は、あまりの睨みに怯んで、言葉を発しなくなった。空は、窓の外に視線を移した。




(馬鹿ばっかり。コイツ等を信用なんてしたら、終わり)




「おはよう」

「おはよう、エンマ」

「あ、ツナ君」

「……。」




空が考え事をしている間も、次々と登校する生徒達。綱吉と炎真達も教室に入るなり、挨拶を交わす。

空が居る事を知っていて、様子を伺う様に。




「空の様子は、如何?」

「元気だよ。でも、やっぱり壁を作ってるみたい」

「そっか。なんだか、炎真達に面倒事を押しつけたみたいで……」

「ううん。全然気にしてないよ? 僕も心配だったから」

「おはよー」




綱吉と炎真が空の話ていると、明るく、元気な声が教室内に響く。声の主は、冴島 愛だった。

その声にいち早く反応したのは、獄寺と山本だった。




「はよ」

「よ!」

「獄寺くん、山本くんおはよー」




愛に普段無愛想な獄寺は、微かに笑っていて、山本に至っては、何時も以上に笑顔だった。そんな二人を綱吉と炎真、それに空が見ていた。

綱吉と炎真は、獄寺や山本とは違い、あまり話さない。愛の事が苦手だと言う理由で。

空に至っては、最初から愛とは話そうともしない。嫌われているという理由からだ。




「今日は、ちょっとギリギリになっちゃったー」

「んな事ねぇぜ?」

「俺達もついさっき来たしな」

「そうなの? 珍しいねぇー」




(気持ち悪い話し方。良くあんな奴の傍に居れるな……)




暫く三人を見ていたが、香水の匂いが微かにした為、空は無表情なまま、また窓の外に視線を戻した。まさか、愛に見られていたとは知らず。




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あきゅろす。
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