キセキの秋桜
38
「……私に関わるな」
「「「「「!」」」」」
やっと言葉を発したと思った瞬間だった。空は琥珀色の冷め切った瞳で至門メンバー達を見た。
正確には、睨んだ。
言葉使いと拒絶と闇が入り混じったような瞳と、雰囲気に呑まれそうになる至門メンバー達。本当に心は閉ざされてしまったのかと、少なからずショックを受けた。
しかし、そんな雰囲気に呑まれない位の勢いで、アーデルハイトが言葉を発した。
「何故、そんな事を?」
「……ターゲットにされて、侮辱されたいなら勝手にどうぞ」
アーデルハイトの質問に答えた空は、立ち上がり、自分が使わせてもらっている部屋へと戻って行ってしまった。一瞬苛立ちを感じるものの、皆が感じる以上に空はとても重症だった。
表情も、瞳も、声も、雰囲気も、全て冷たく冷えきっていて、大空の様な温かさは、微塵も感じ取れなかった。
「空ちゃん、もう笑わないのカナ……」
「空さんは、とても温かい人だったのに……」
「僕がもっと早く気付いていたら……」
「空さん……」
「……。」
「……。」
「俺っち達で如何にかするしかないじゃん?」
「「「「「「!」」」」」」
ジュリーの一言で炎真達は、確かにそうだ! と思った。空にまた笑って欲しいからこそのものだった。
「あら、もうこんな時間。早く学校へ行く準備をしなくちゃ」
「「「「「あ!」」」」」
話込んでいる内に学校へ行く時間には、いい時間になっていた為、一旦準備をする為に部屋に戻った。
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