キセキの秋桜
34
「居る! 空を預けれる人」
「ダメツナまさか、古里 炎真か?」
「うん。炎真達なら、安心だよ!」
「そうだな。まだ安心だな」
「まだ≠チて如何言う意味だよ!」
「まんまの意味だ」
(((((((古里 炎真って誰??)))))))
綱吉の口から、キセキ達が知らない人物の名前が出て来た。名前からして、男の子のようだが、どんな人物なのか迄は想像しがたかった。
「取り敢えず、空が目を覚ます前に交渉しに一旦並盛に戻るか」
「うん」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
─並盛旅館─
「もう、寝てるかな……」
「今更何言ってやがる」
綱吉達は帝光町(並盛の隣(隣町ではない)辺りっていう設定です)から並盛旅館へ炎真達に交渉するために歩いて来た。リボーンと綱吉、それに──
「此処が並盛ですか」
「向こうと少し似てんな」
「静か過ぎるのだよ」
各々の感想を述べつつ、キセキ達とリボーン達は炎真達の止まっている旅館の中へと入って行く。
ガラララ
「あれ、沢田ちゃん?」
「あ、ジュリー。丁度良かった」
「何? てか、何この人数」
「取り敢えず、全員を集めてくれないか?」
「いいけど……」
中へ入ると、丁度タイミングよく加藤ジュリーが通りがかり、綱吉達に気付いた。綱吉達もタイミングがいいと思った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「(き、気まずい……)」
「で、私達に用って?」
「空の事だ」
「結局、沢田 空が如何した」
「実は……」
綱吉とリボーンは、空の今の状況と事情、キセキ達の事と自己紹介をした。炎真達も話を訊きつつ、自分達も自己紹介を済ませる。
「まさか、そんな事になっていた何て……」
「……如何して、空さんが……」
「でも、空ちゃんが無事でよかった」
空の事情を知った炎真達は、悔しそうな顔をしながら、各々の感想を述べた。綱吉達も悔しそうな、寂しそうな顔をする。
だが、いつまでもクヨクヨしている訳にもいかず、綱吉達は本来の目的を思い出し、話出す。
「実は、炎真達に話があって来たんだ」
「話?」
「空を暫く預かってくれねぇか?」
「何で? 空ちゃん帰る家あるじゃん」
「訳あって、今は家に帰れなくて……」
綱吉は苦笑いを浮かべながら、炎真達に視線をやる。何かを察したらしく、炎真達は考える素振りを見せると、炎真達はお互いに目配せをし、ニコリと笑顔を見せた。
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